名人戦第2局が始まりました。先手番となった羽生挑戦者は矢倉を避けて(?)角換りに誘導しました。森内名人も相手の作戦を避けません。というか角換りになることを予期していたかのような新手(?)で受けて立ちます。将棋の強い人からすると一見筋の悪い金打ちにこの勝負を託したようです。ニコ動で解説していた佐藤王将は、3週間前に同じ戦型の将棋を指したばかりだということでしたが、この金打ちはあまり有望ではないと思ったので深くは読まなかったということでした。そういう手を名人が名人戦という舞台で選択したということは、相当先まで深くつっこんで研究し、自信を持った上でのことだと推測されます。
 恐らく羽生挑戦者はこの手は想定していなかったのではないでしょうか。それまで名人戦にしては異例な程のハイペースで進んでいた指し手が、名人のこの手を境にばったりと止まり、この後数手で封じ手となりました。第1局、矢倉の後手番で森内名人の快勝を許した羽生挑戦者にとっては負けられないこの第2局。作戦を選ぶことの出来る先手番で必勝を期して投入した角換り。恐らく深い研究と読みの裏付けをもって指された名人の勝負手。羽生挑戦者が予想していなかったと思われる名人のこの研究手は果たして成立しているのでしょうか。先手はこの手を的確に咎めることができるのでしょうか、それとも研究の術中にはまってしまうのでしょうか。本日第1日目の最後、羽生挑戦者は、飛車を(ニコ動やBSで)解説していたプロ棋士が直感的に第一に考える8九ではなく7九へ逃げました。相手の読みをはずそうということなのでしょうか。それとも、この手も名人の研究の範囲内なのでしょうか。名人はこの次の手を封じましたが、指す手自体は早々に決めていたようです。名人の研究対羽生の勝負術という面白いことになってきているのでしょう。
 第1局目、先手番の名人は、後手に攻めさせてぴったりと受け切るというまさに横綱相撲、名人芸で完勝を収めました。この第2局は、後手番ながら自分から動き、相手を押さえ込み、局面の主導権を握ろうという意欲的、積極的な作戦です。またどこかの段階で羽生挑戦者を無理攻めへと導き、切らせて勝つという得意の展開に持って行こうとしているのでしょうか。先に勝っている余裕のなせる技とも言えそうです。挑戦者にとっては、先手番でありながら後手の研究にはまって連敗ということになれば相当厳しいことになるでしょう。是が非でも相手の研究手を成立させるわけにはいきません。絶対に負けられない戦いです。明日は、今期名人戦最初の山場、ということになりそうです。目が離せません。

 というわけで名人戦記念に『王将』でも聞こうかと思って探してみると、やっぱりいるんですねぇ、こんな曲を初音ミクに歌わせてるヤツ。感心します。マジで。
明日は東京へ出て行くからにゃー 何が何でも勝たねばならぬ。
さすがのミクもさすがにコブシはまわりません。
http://www.youtube.com/watch?v=Li5IJ5R3k48