詩を詠むなら
貴方のひざ元で
柔らかな風に抱かれて
幾多の詩を書き綴りましょう
低い掠れた声で名を呼ばれたら
今日という日は終わり
花咲くこの丘にさよならを告げて
差し出された貴方の手を握り
深い眠りに還るのです
明日はどんな詩をうたおうか?
貴方に何をお聞かせしようか?
うたうことしかできないから
うたうことをやめはしないわ
貴方が笑ってくれるから
今日もひざ元で愛をうたうの
日差しが早く落ちていく
さよならが近づいてきたんだね
低い掠れた声は「もうそろそろだ」と呟いた
うたう私を抱きしめて
また明日もうたおうねって
指切りをかわして
また同じように笑うの
花咲くこの丘で二人きり
貴方のひざ元で
私いつまでも愛をうたうの
貴方が笑ってくれるまで
一晩中でも
何日でも
何年でも
うたいつづける
うたうことしかできないから
うたうことをやめはしないわ
いっそこの声が枯れればいい
私の大好きな声のように
花咲くこの丘で一人きり
貴方のひざ元は
土に還り私を抱いた
「愛してるよ」と貴方がうたう
さあ
今日は何を話そう?