故郷から旅立って三年目の春
貴方を追いかけて出てきた
荷物も持たずに
ただ一つだけ
口ずさむ
遺言みたいな貴方の言葉
故郷の想い出は
どれも美しいものばかり
貴方と過ごした
沢山の日々
どんなに時がたったって忘れない
貴方はいつも言っていたね
広い世界を見に行くんだって
連れてってと駄々をこねる
そんな私を置いてった
桜が散るよ
ほら春が終る
貴方の面影が
また一つ
霞んでいく
眩い光の中
手を伸ばす
握り返してくれた
貴方の手はもう
酷く酷く冷たくなって
私の温度をも
すっと下げってった
遺言のような貴方の言葉が
頭の中で響いてる
どうしてもっと早く辿りつけなかったの
自分を責めてる間に
また夏がくる
日照りが額を熱くさせて
故郷へ続く道をじっと焼いていく
裸足で土を確かめて歩くのに
ちっとも熱くなんてならないの
貴方の言葉を抱きしめる
少し胸が熱くなって泣き出した
貴方を追いかけてた
もう一人の私が
気にするでもなく
私を追い越して
立ち止まって
振り返って
また歩き出す
貴方の影を追ってきたはずなのに
終着地点に貴方はいなくて
待っていたのは
変わらぬあの場所
貴方と過ごした大切な故郷
貴方の言葉を最後に口ずさむ
やっと見つけたよ
辿りつけたんだよ
貴方は私を置いていったりなんかしなかった
ずっとずっとここに
貴方はいたんだね
貴方と過ごした愛する故郷に