稚内の居酒屋さんは決して多くは無くなかなか難儀する。この日もお目当てだったお店に振られてしまって、居酒屋難民になりつつ急遽決めたのがこちらの「八や」さんでした。
あまり下調べしていない選択。吉と出るか凶と出るか。
○八や
お店の雰囲気はTHE居酒屋さんのような感じ。カウンターに座敷という安定の雰囲気で先客がほどよく入っていて座敷では賑わっています。とりあえずカウンターに入る。
雰囲気のあるおじいちゃん板さんと接客はおばちゃんが担当。第一印象は若干圧のあるおばちゃんだったけど、以外とマイルドで丁寧な接客でした。第一印象で人を判断してはいけませんね。
○メニュー
お手軽おつまみからしっかり料理までメニューの幅は広い。お店の名物は宗谷産生タコの陶板焼きらしい。タコの陶板焼きというのは珍しい。これはマストかな。
グーグル先生のレビューで好評だった牛すじ煮込みとタコの陶板焼きでいこう。お飲み物はあまり珍しいものは無さそう。
◯お通しと生ビール 600円
やっぱり北海道といえばサッポロクラシックですね。
お通しが美味しいお店は良いお店が多い。自分では勝手にそう思っています。そして八やさんのお通しはホタテの酢の物で予想を上回ってきた。意表を突く一品で驚く。お通しのレベルでは無く一品料理として十分成立する。
これは期待できるかも。
味の方もほんのり感じる酸味がホタテの旨味を包み込みさっぱりと仕上げられている。いやあ、ホタテをお通しで頂けるなんて嬉しい誤算であった。
◯牛すじ煮込み豆腐 塩味 500円
あまり情報が無い中で選んだ牛すじ煮込みが到着。
濁りのある汁にブラックペッパーが香る。豆腐の上に牛すじ、更にネギと彩りも良い。まずは一口汁をすすれば旨塩味が広がり、濃厚ながらしょっぱすぎず味がある。
豆腐は普通の豆腐な印象。ただ、クニュクニュと噛むとじわりと脂が滲む牛すじとの相性は良好だ。それにしてもブラックペッパーとの組み合わせが見事でこんなに息ぴったりに合わせてくるとは思わなかった。
口コミ情報していただいた人に感謝。
◯宗谷産生たこの陶板焼き 1,200円
北海道だとウニやイクラにホタテや鮭などに目がいきがちですが意外とタコが有名。なんと宗谷のミズダコの水揚げ量は日本一にもなるのだとか。
陶板焼きを注文すると、おばちゃんが奥からなにやらコンロを持ってきて鉄板をセット。鉄板が程よく温まったら弱火でサッと焼くのが良いらしい。これは楽しみ。
そして運ばれてきたタコは見事な白肌で、食べ応えのありそうな大きさ厚さは期待を越えてくる。ごま油を身にまとって鉄板が温まるのを待っているではありませんか。
言われた通りにサッと焼いて食べてみれば、タコの甘み旨味に驚く。外側の表面、特に吸盤あたりが焼けてきた辺りで頂いてみると香ばしくありつつ、厚みのある身には生たこの食感も残していて一度食べて二度美味しい素晴らしい出来栄え。
鉄板に乗せるとキューっとたこが縮みひっくり返して薄っすら色づいたあたりが美味しい。初めは焼き上がりのタイミング間違えて冷たかったりしたけど、食べ終わる頃には引き上げるタイミングも上達してくるというもの。自分好みに仕上げましょう。
◯鮭茶漬け 550円
最後の一品を何にしよう。手書きメニューを確認すると揚げ出し豆腐が多い。もしかしたらご主人の得意料理なのかもという考えで牡蠣と豆腐の揚げ出しを頼もうと思ったら既に油を火から下ろしてしまったとのこと。一足遅かった。悔しい。
仕方がないので鮭茶漬けでシメましょう。注文したら2つ隣の席でそばを食べていた人がお茶漬けもいいなあなんて呟いていて、なぜか誇らしげになる単純な自分である。
そして出されたお茶漬けはご飯の量が多く鮭はやや少なめ。もう少し鮭を増量してくれると嬉しいぞ。ただ、優しい出汁で鮭の旨味が加わればほっこりとシマる。日本に生まれて良かった。
急遽決めたお店でしたけど大当たりでした。
飲兵衛の嗅覚は捨てた物じゃありませんね。
今回の満足度:
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「八や」
北海道稚内市大黒2-7-38
0162-23-6088
営業時間:17:30~22:00
定休日:日曜日
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