ありのままの自分で
人生も音楽も思いっきり楽しもう！！
ピアノ×うた×カウンセリング
自分をまるごと好きになろう！！
北みずの坂音楽教室の野村知子です
中学3年生の夏終わり。
老人福祉施設へ職場体験に出かけました。
４．５人くらいのグループで訪問させていただき、
食事の介助や歩行補助や、
お話相手、夏祭りの準備などをお手伝いしました。
施設の一階には皆さんが集まる広場があって、
そこにアップライトが置いてあったんですね。
横目でチラチラ見ながら過ごしました。
そして、夏祭りの準備をしている時に、
施設の担当者の方から、こんなお話を聞きます。
今でも心に残っている会話。
担当者「夏祭りは盛大にやるんだよ！
何故だかわかるかな？」
私は、考えたけどその時は理由が分からなかった。
担当者「ここにいるおばあちゃんやおじいちゃんは、
この夏まつりが最後になるかもしれないからね。
来年、ここにいられるとは限らないんだよ。
だから、楽しみにしてくれている夏祭りを
良い思い出にしたくて、
準備とか後片付けは大変だけど、
盛大にやるんだよ。」
その話を聞いた時に
中学3年生の私は
胸がキュンとちょっと締め付けられる感じがしました。
私は、来年は当然にやってくると思っていたけど、
この場所にいるおばあちゃんやおじいちゃんは、
来年いないかもしれないんだ。
もう会えないかもしれないんだ。
おばあちゃんやおじいちゃんたちの嬉しそうな顔を
イメージしながら、
暑くて大変なはずなのに、
すごくニコニコしながら
汗だくになって準備を進めていた担当者さん。
その姿と、担当者さんの言葉とで、
私の中に芽生えた思い。
それが、
ここにいるおばあちゃんやおじいちゃんたちに
私のピアノを聴いてもらいたいな。
演奏を届けたいなぁ。
でした。
演奏を聴いて楽しんで欲しいとか、
癒されて欲しいとか、
そんなことは全く考えてなくて、
ただただ、届けたい！聴いて欲しい！弾きたい！
という思いを持つようになりました。
一生懸命に準備をする担当者さんを見ていたら、
私も何かしたい！という気持ちが
沸き起こったのだと思います。
職場体験から帰って
母にこの事を話しをしたら、
母「知子、それがやりたいのならやりなさい。
でもね、おばあちゃんやおじいちゃんたちの前で
演奏するっていったって、ちゃんとした演奏でなければ
失礼にあたるんだよ。
だから、ピアノをもっときちんと勉強しなさい。」
と言われました。
「まぁ、確かにその通りだ。」
「私は人前で演奏するにはフラフラし過ぎている」
と私自身も分かっていたことなので、
その出来事をきっかけに音高受験を
本格的に目指すことになりました。
中学3年生の夏終わり。
遅すぎる決断でしたが、
それが転機となりました。
今思うと、
コンクールや発表会で演奏するという考え以外の
演奏するということを
全く知らなかったので、
こういう演奏の場もあるんだ！！！
という新しい選択肢を
見つけられた瞬間だったのだと思います。
続きます。
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