夢の中で、私は近所をサイクリングしていた。

私は自分の自転車に乗り、右手でハンドルを持っていた。 

左手にはあの子の自転車のハンドルを持ち、2台で並走していた。

あの子の自転車には、誰も乗ってない。

私が左手で操作している。



だけど、夢の中の私は分かっていた。

透明だけど、あの子が乗ってる。

あの子と、今、サイクリングをしてるんだ。



フラフラしながら、2台の自転車を操作しつつサイクリングしてたら、だんだんあの子の自転車に意思を感じて来た。



「あ!やっぱりあの子が乗ってるんだ!」



私は手を離して、透明のあの子が乗る自転車と並走してみることにした。



だけど。

3メートルくらいは並走できたけど、あの子の自転車は、フラついて川にバチャーン!と落ちてしまった。



流される!あの子の大切な自転車!

私は、周りの人の目も気にする事なく、川へダイブ!

自転車を引きずり出した。



やっぱり無理だったか。

透明じゃあ、自転車の操作はできなかったか…。

と、ずぶ濡れで思う私。



〜 〜  〜 〜  〜 〜  〜 〜 〜   〜



と、いう夢を今日見た。

はあ、やっぱりもう帰れないのかな、と思い始めた頃から、夢でもあの子は透明か、あるいは、亡くなった体で夢の内容が作られるようになった。



最初の頃は生きてるあの子とお出掛けする夢を頻繁に見ていた。

それこそ、週に3日は必ず見ていた。

元気なあの子と色んなことをして楽しむ夢。



だけど、今では滅多に夢にも出てこなくなったし、出てきても、そんな夢はもう見られなくなった。



だけどね。

あんまり見すぎるのはよくないらしい。

本当かどうか、分からないけど。

あまりにも夢に出てくるのは、成仏できてない、もしくはする気がまだ無い、状態らしい。



だからきっと。

最初の頃、見まくってた頃はあの子は成仏してなかったのかも。

突然だったし、成仏なんて嫌!と思うのも無理ない。



だけど、今。

あんまり出なくなって、出てきても透明なのは、あの子はきっと成仏する気になったのだろう、と理解している。



寂しいけどね。

たまには姿あり、で出てきて欲しいな。