昨日は何となくあの子をギュ~としたいな、と思ってあの子の部屋のクローゼットを開けた。



見慣れたパーカーにジーンズ。

久しぶりに抱きしめてクンクンした。



はあ〜、あの子の匂い。

まるで昨日着てたみたい。

目を閉じてクンクンしてたら、あの子をギュ~してるみたい。

だんだんと、涙が出てくる。



嘘みたいだなあ。

今もいるみたいだなあ。

だけど、いない。



久しぶりに抱っこしたら、薄れてたあの子とのやり取りまで思い出してきた。

服の威力、おそるべし!



こうやってだんだんと、強烈に頭に焼き付いていたあの子との日常が薄れて来るんだな。

仕方ないのかな。

ずっとずっと強烈に焼き付いたままだと、苦しくて生きていけないのかな。



最近は、起きてあの子がいなくても、焦らなくなった。

最近は、水筒の用意が1個になっても、そうよね…と思うようになった。

切なくて悲しいのは変わらないけれど、焦らなくなった。

そうなんだよね…と思うようになった。

悲しいな。



でも、たまにはクローゼットを開いて、あの子と会うのもいいのかもしれないな。

細かい部分のやり取りを思い出して忘れないように。

苦しいけどね。

でも、忘れちゃう方が、もっと苦しい。