昨夜、夢のなかで
小さな命を抱いていた
おぼつかない手のなかで
それでも、そのぬくもりは
愛おしく、眠りに満ちていた

夜空を見上げながら歩く
星たちが静かに瞬き
その光の下で、ぽつりと
「ママは この景色を見せるために
私を生んでくれたの?」
赤ちゃんが風のように問いかけた

「見えるの?」
尋ねると、
赤ちゃんは言った
「まだ見えないけど わかるの」

「わかるの」
形はまだないけれど
確かにここにある
すでにすべてを知っている

時が流れ、
小さなベッドに
赤ちゃんを寝かせて
知人と言葉を交わし
帰り道、気づく
「あ、忘れてきた」

けれど焦りも責めもなく
ただ静かに、深く心は知る
「あそこに忘れてきたんだ」と

うっかりでも、
不器用でも、
それでいい
忘れても、また迎えに行けばいい

この夢が教えてくれたのは、

始まりはいつもおぼつかない
何度も忘れ、何度も取り戻しながら
静かに、私の中に根を下ろしていく

いまはまだ見えてなくても
もう、すでに知っている

新しい私が
確かな一歩を踏み出した

 

最後まで読んで下さり
ありがとうございますドキドキ

 

 

読んでくださったあなたには

さらなる幸福が訪れますキラキラ