昨日、あるカメラ店へフィルムの現像と焼き付けに行った際に、いつものように中古品を見て時間を潰していたところへ某店員さんが、ぜひ見てもらいたい物があると言い店の奥へ行かれました。
その直後に出てきたカメラが下の写真のカメラでした。
製造ロットから初期タイプボディのNikon Fであることはすぐに分かったのですが、家で調べると1960年1月~8月までに製造された個体であることを確認しました。
保存状態が悪く、シャッター速度も、遮光モルトも、セルフタイマーも、巻き上げ機構、シャッター機構とも不調で、カメラとしては価値の無い状態です。
初期タイプのカメラに刻印されているニコンのロゴマークはやっこさんと呼ばれる旧タイプです。
中期タイプ以降は、Nikonの刻印になっています。
このカメラは機能的には、ただの箱の状態ですが、光学系が痛みの少ない状態でした。
ファインダーもスクリーンもカビも無く、通常の使用に問題ないレベルでした。 ただファインダーは経年劣化による銀剥離が起き始めていて、ファインダー像中央部の上下から筋が入り始めています。
シルバーボディが茶色く変色していて、マウント内部には、アオカビが見られます。
遮光モルトも跡形もなく、シャッターを切る度にゴミが出てきます。
製造から54年経った現在で、この状態ですが、最新のデジカメでは半世紀使い続けるのは困難だと思われます。
シャッター幕は、金属製ですが、油が滲んでいる様です。
シャッター幕に近寄ると油が付いている様子が見てとれますね。
完動品なら3万円程度で売買されるのですが、状態が状態の為540円でした。
レンズもセットになっていたのですが、こちらもジャンク扱いで、540円でした。
ジャンクでNikon Fに付いていた5.8cm f=1.4です。 このレンズも製造履歴から、1960年頃に製造されたレンズであることが判明しました。
このレンズ、鏡筒先端部が手で緩みます。 カメラ店で、鏡筒先端部を抜き、内部をエアーで清掃しています。 ジャジャ馬レンズで有名なレンズで、製造本数が39001本と少なく、現存数も少ないため、高値で売買されるレンズです。 このレンズもジャンク相当品扱いで、540円です。
カメラとレンズセットで、1080円でしたが、Bodyキャップとレンズフロントキャップ、レンズリアキャップなども合わせて購入の為、キャップ類の方がカメラとレンズのセットよりも高く付いてしまいました
このレンズでの試し撮りも今日の中にしたいと思っています。