私には姉がいます。


姉は海外に嫁ぎました。結婚する時に、旦那様に合わせて宗教も変え、もう15年、現地で暮らしています.たぶんこのまま現地に骨をうずめるんだろうと思います。


姉とはずっと長いこと積極的に連絡をとっていませんでした。



私は母から子供の頃からずーっと

「私は親のために地元に戻って結婚した」

 話を聞かされてきて


姉が海外の人と結婚して

「あの子は親を捨てた」

という母の言葉をまたまた聞かされ


無視すればよかったのに

まんまと、


親の面倒を誰かが見るべきという

呪縛にハマってしまっていたんだと思います。

私は地元男性をさがし、結婚しました。


姉が自由を選んだから

私は不自由なんだ!


って、姉のことも、両親のことも

恨んできました。


だけど

いっぱい

カウンセリングを受けたり

学んだりして


本当はぜんぶ自分が選んだと

理解してきたんですね。


そして、私が選んだこの人生だって

そんなに悪くない。

最近はそう思っています。


ていうか、私が選んだ人生、

私がもっと愛して、よくしていくことが

できる。

そう信じるようになった。




先週父が入院し、ぶじ退院して元気でいることを

知らせるために

姉とLINEしました。


そして、姉とやりとりするうちに

いとこのNちゃんが1年以上前に自◯したことを

姉は知らない、と気づきました。


そこで久しぶりに、通話に切り替えました。


両親から知らせがいっているかと思っていた。

とにかく

長いこと、大切なことを知らせなくて

ごめん、と謝りました。

そして、Nちゃん、実は、亡くなっているんだ、と知らせました。


姉は驚いていたけど、わざわざ通話に切り替えた時点で、少し予想はしていたかもしれません。

落ちついていました。


そのあと本当に久しぶりに

いろんなことを話しました。


母方のおじいさんの話。


姉は最近

「黙々と農作業していて遠い存在だったおじいさん。

 でもあの姿は本来のおじいさんじゃないんじゃない か?」

って、なぜか考えていたそうです。


私が

「おじいさんは、マンガや本を、野良仕事の合間に読むのが大好きだったんだよ。」

「私たちが見ていたおじいさんは、脳梗塞を何度かやって、話が不自由になった姿。病気する前は、林業のリーダーで、周囲から頼りにされて慕われていたらしいよ。本当はもっと話せたんだよ」

「本当は長男でなければ、農家はやりたくなかったんじゃないかって、お母さんは思って見ていたんだって。作業より、考えたり導くほうが、好きだったし、向いていたみたい。」

「私たちが読書が大好きなのは、お父さんだけじゃなくて、おじいさんの血なんだよ。いとこのヨシオくんもマンガ家になったでしょう?」

と話すと


「ぜんぜん知らなかった…。でもやっぱり、そうだったんだね。本当のおじいさんは、そうだったんだ…」

と、納得していました。

「ほたるはどうしてそんなこと知ったの?」

と聞くので


私は子育てが始まると同時に

カウンセリングを始めて

けっこう長く、家族やご先祖について

調べてきた、って話しました。


父方の戦後の引き揚げ体験、

その恐怖が、赤ちゃんの脳に及ぼす影響。


いろいろ問題を抱えていた父だったけど

お姉ちゃんはお母さん似、

私はお父さん似で、

同族嫌悪っていうのかな、

お父さんは私のこと、

認めてはいるけど、心から好きではない。

お父さんはお姉ちゃんのことは

すごく可愛がっていて

私にはそうじゃなかったよ、と。


姉には、父はいっぱいお金をつかうし

どこまでも喜んで迎えに行くけど、

私はしてもらったことないんだ。


姉は、そうだったんだ、

と、驚いていました。

お父さんはきっぷがいいと思っていた、と。


いやいや、私はお父さんに奢ってもらうとか

一切ないよ。ドケチだよ。

でも、今、週一で子育てを手伝ってもらっていて

ドケチとは今は言えないけどねてへぺろ


そういういろんな傷があったから、

いっぱいカウンセリングして

カウンセラーの先生とやりとりして、

ただ単に親が悪いんじゃなく、

代々の連鎖だと

ひとつひとつ腑に落ちたんだ。


Nちゃんが亡くなったのも

ご先祖からのいろいろな傷が

関係しているかもしれない。


おじさんもお父さんも

アルコールの問題もってたよね。

子ども時代の傷って

尾をひくんだよ。


本当にそうだね

って、姉も納得していました。


ほたるが

お父さんとお母さんの近くにいてくれて

よかった、

と言ってくれました。




今日、姉と話せて

なんだか本当によかった。


5000キロ以上離れていても

私たちは

ちゃんと

繋がっていることが

わかりました。


彼女は予感していた。

私から、おじいさんのことを

教わることを。


私たちは繋がっている。


いい日だった。


カウンセリングやセラピーを

続けてきてよかった。

お姉ちゃんとこころが通じて、本当によかった。


私はもうお姉ちゃんのことを

恨んでいない。

私には私のよさがあることを知っているし

私が選んだ人生も

きっともっとよくなっていくと

知っているから。


そのことがわかった。

本当に、よかった。


おわり