ミュージカル・コメディー『SHE LOVES ME』を観る | to-be-physically-activeのブログ

to-be-physically-activeのブログ

ブログの説明を入力します。

 シアタークリエでHey! Say! JUMPの薮宏太さん主演のミュージカル・コメディー『SHE LOVES ME』を観てきました。薮宏太さんにとっては,2009年に同作品でミュージカル初主演しており,約13年ぶりの再演だそうです。当時は19歳だったそうですが,今回は薮くんも33歳となり主役のジョージ・ノワックの実年齢に近い大人の独身男性を繊細かつ軽妙に演じてくれました。相手役の綺咲愛里さん(アマリア・バラッシュ役),助演の坂元健児さん(ラディスラフ・シーポス役),岡田亮輔さん(スティーブン・コダリー役),宮澤佐江さん(イローナ・リッター役)の好演も舞台に花を添えました。

 舞台はハンガリの首都ブタペストの香水店という設定でした。原作を書いた劇作家のMiklós László(ミコラス・ラズロ,1903-73年)の出身地がオーストリア=ハンガリー帝国時代のブタペストであり,自らの故郷を物語の舞台にしたのは当然かもしれません。ラズロ一家は,ドイツ系ユダヤ人だったのでナチスの迫害から逃れるようにアメリカに移住し,ニューヨークのLower East Sideで生活しながら東欧系移民として苦労しながら劇作家として活躍したそうです。

 原作の『Parfumerie』は,ミュージカルとしての舞台での上演のみならず様々な形で映画脚本にも翻案されこれまで3度映画化されています。3度目の映画化はインターネット時代に入ってからの作品で,メグ・ライアン,トム・ハンクス主演の『You've Got Mail』であり,文通を通じた古風な恋愛の時代からEメールによるブラインド・デートという現代的な形式に鮮やかに進化を遂げました。

 時代を超えて手段が進化しても,男女が手紙やメールといった文章を介して心の機微を通じ合うという習慣は永遠不変なのだろうと思います。