名古屋四季劇場のミュージカル『CATS』 | to-be-physically-activeのブログ

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 名古屋四季劇場でミュージカル『CATS』を観劇しました。前回の2月の御園座の雪組公演『Bonnie & Clyde』のときは,寒風吹きすさぶ中での名古屋滞在でしたが,一転して今回は梅雨時の晴れ間のような蒸し暑い陽気で着て行くものの選択に迷いました。劇場内は意外にエアコンが効いていて寒く感じるので,うっかり半袖は禁物です。

 ミュージカル『CATS』の初演は,1983年11月11日とのことで今年でロングラン40周年を迎えました。名古屋公演中に通算11111回目の上演を迎えたそうです(4月28日)。劇団創設者であり演出家でもあった浅利慶太氏の並々ならぬ執念とビジネスマンとしての先見性によって,劇団員が「演劇の公演だけで食べていけるようになる」環境を実現できたことは素晴らしいことです。『CATS』のための専用劇場(常設劇場)を各地に造り上げたり,地元企業との積極的なコラボレーションや宣伝によって安定した観客動員を可能にした点も演劇界としては画期的なことだったと思います。時代的にも日本経済が上昇基調にあり,企業のメセナ活動も盛んであったときに思い切った投資ができたことが今日まで続く劇団経営の基盤となっています。

 今般の名古屋での長期公演は3回目だそうです。共同主催は中日新聞になっていましたが,協賛企業には第一三共株式会社と積水ハウス株式会社が名前を連ねていました。名古屋なのでバンテリンで名を馳せている興和株式会社なのかなと想像していましたが,外用消炎鎮痛薬のロキソニンSで対抗する第一三共(株)が協賛とは意外でした。

 ミュージカル『CATS』の魅力はなんといってもアンドリュー・ロイド=ウェバーの楽曲とバレエを基調にしたダンスパフォーマンスですが,舞台美術や舞台装置,小道具の創り出す空間芸術が独特の世界に誘ってくれます。名古屋公演ですのでジェリクルキャッツたちの棲み家のゴミ置場のデコレーションにも「ご当地ゴミ」が隠されており,開演前に目を凝らしてゴミの山を眺めました。唯一気がついたのは,地元のナカモ味噌のヒット商品「つけてみそかけてみそ」の空袋です。トンカツやおでんなど,料理に赤味噌をベースにした甘辛い味噌ソースをかけることを好む愛知県人の特性をよくフィーチャーしているなと思いました。

 24匹の中のJellicle Catsの中で,今回の舞台では泥棒猫のMungojerrie & Rumpleteazerのダンスパフォーマンスが素敵でした。もちろんマグダラのマリアのような苦悩を背負った過去をもつ娼婦猫Grizabellaと,彼女に好奇心と慈愛に満ちた純粋な心をもって接する妖精猫Sillabubのクライマックスでの『メモリー』の競演も心に響きました。楽曲としては鉄道猫の『スキンブルシャンクス』をカラオケで練習したいと思いました。躍動感溢れる元気になれる曲で,古川雄大さんのコンサートでも共演者たちがこの曲で中盤を盛り上げていたことが記憶によみがえりました。

 ミュージカル『CATS』ですから・・・・,何度観ても飽きることはありません。