海乃美月さん演じる昭姫がよかった | to-be-physically-activeのブログ

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 月組公演「平安朝クライム『応天の門』―若き日の菅原道真の事―」(2023年2月公演)を観てきました。今回は海乃美月さん演じる昭姫(しょうき)がキャラ立ちしていて,とてもよかったです。唐の王族の後宮に仕える女官でしたが,訳あって日本の平安京に亡命することになり,京の都で唐渡りの珍品を商ったり,賭博場を営んだりしている芯の強い女性の役をしっかり演じていました。ガリ勉くんで,世間知らずで,他人との関わりにも消極的な人間的に未熟な若き日の菅原道真(月城かなとさん)を導いて,人の心に寄り添うことの大切さや,多様な生き方をしている他者を受容しながら積極的に人間社会にコミットしていくことの意義を道真に教える大事な役割を担っていました。

 百鬼夜行の蠢く平安京の闇の世界を生かしながら,黒幕である藤原基経(風間柚乃さん)の陰謀に立ち向かう菅原道真,在原業平(鳳月杏さん)の活躍が鮮やかに舞台に再現されていて原作のテイストに肉付けされたとても上質な作品に仕上がっていたと思います。

 観劇はこの一回だけなので,清和帝を演じる千海華蘭さんや若き日の藤原高子を演じた蘭世惠翔さん,舞姫を演じた結愛かれんさんにお別れのエールを送ってきました。