就学児童二人の母親でもある検査技師さんといっしょに病理の切り出しの仕事をしながら,子どもたちの夏休みの宿題の進捗状況が話題にのぼりました。学習ドリルや課題図書の感想文は片付いたものの,詩と俳句の創作がまだ残っていると頭を抱えていました。自身の経験からも,夏休みの創作課題を子どもたちが自力でやるはずもなく,母親としての威厳を見せつけるためにも,童心にかえって子どもらしい詩や俳句をひねりだすことに苦心惨憺するしかないようです。「なにか良いアイデアは?」と頼りにされても・・・,今の私には官能的な詩しか思い浮かびません。実体験をベースにするなら,夏休みになってもコロナでどこにも連れていってもらえない嘆きを,子どもに代わって詩にしてみたら,とアドバイスするしか答えようがありませんでした。
土曜日にテレビでよしもと新喜劇の傑作編,酒井藍さんが座長を務める『藍ちゃんと,お婆ちゃんの夏』(2018年8月上演,作・演出・藤原和博)を視聴していたら,藍ちゃんが里帰りしたお婆ちゃんの家の柱に小林一茶の句が短冊として張られていました。
蟻の道雲の峰よりつづきけん
という夏の俳句です。さすがよしもと新喜劇,細かな小道具を含めて風雅な心を持った舞台美術家がいるものだなあ,と感心して視ていました。
ところでこの俳句の季語はどれでしょう。「蟻の道」とする説と「雲の峰」とする説をネット上の記事で見つけましたが,入道雲を連想させる「雲の峰」が正解なのかもしれません。
小林一茶の夏の俳句を集めた記事を検索していたら,もう一句,今の私の心境にあった俳句がみつかりました。
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ
お芝居を観に行きたくても,休演やチケット完売でどこにも行けない淋しさにマッチした俳句だと思います。あっぱれ小林一茶!
酒井藍さんのtwitterより引用