病院に子供を残して退院したんだ。
体長9センチ20グラムの男の子。誕生日と命日が同じな、私の子供。
小さな箱に入れられて、火葬の日取りが決まるまで、病院で冷凍保存されるんだ。
数日して、子供を迎えに行った。
火葬場までの車の中で、私は子供を抱きかかえる様に、箱の入った袋を膝に置いてた。
弔いの花をたむけて、箱は台に乗せられていった。
開ける事は叶わない。
広い待合場で、旦那と二人、子供が焼かれるのを待った。
寒かったね。
熱かったね。
寂しかったね。
でも、ごめんね。
想っても涙は出ない。
火葬が終わると、台の上には、箱が焼け焦げた跡と、そこに散らばる、爪の先くらいの骨。
はじめて、自分の子供の姿を見たんだ。
真っ白な骨になった、私の赤ちゃん。
丁寧に子供の骨を拾いながら、それを口に入れたいと思った。
また、ひとつになりたかったんだ。
だけど、これまた小さな白い壺に入れられて、封を閉じられたから、無理な話しなんだけど。
君はどんな顔だったの?
君はどんな声だったの?
君はもっと生きたかった?
お母さんはね
君に会いたかったよ。
君に触れたかった。
君の声を聞きたかった。
勝手だね…
ごめんね
私が悲しくて泣いたら、君が哀れな子だと思うんじゃないかって。
そう思い込んでしまっているから、私は未だに泣けないでいる。
悲しまない様に、虚勢を張ってる。
誰のせいでもなく、私自身が、悲しみを閉じ込めてしまったんだ。
いつになったら、鍵は見付かるかな?
君は知ってるかな?