生涯忘れることのないだろう日、「4月30日」。


それは突然やってきた。


原因不明のめまい、呼吸困難、吐き気、全身を襲うしびれ。


過呼吸になり、遂にはこのまま死んでしまうのではないだろうか・・・というほどに


意識が遠のいていく。



職場で倒れ、救急病院へ。


検査を受けたものの、身体的な異常は見つからない。


先生に勧められるまま心療内科で診察を受けることに。



そこで待っていたのは、予想だにしなかった先生からの申告。



「恐らくパニック障害でしょう。」



???


聞いたことはあったものの、何の事を言っているのかさっぱりわからない。


簡単に言うと、「極度の心身的負荷による発作が、慢性的に発生する状態」とのこと。





それからしばらくの間、何をするにしても少しの緊張や、


人込みや狭い空間で圧迫感を受けたりすることで、


こういった症状が発生するようになった。



会社を休職し、妻と共に自宅療養を始め、


呼吸法や薬を用いたり、公園を散歩することでリハビリを行う日々。



突然変化した日常に、しばらくは戸惑うこともあり、ずさんな対応をする会社や、


これまで二人で毎日同じ空間にそれほど長くいなかった事で起きたストレスが原因で、


一ヶ月は妻と喧嘩ばかりの日々が続いた。



しかし、そんな人生初めての困難も、周りの人々のささえや、


献身的な妻のお陰で感知するまでに至った。



人が支えてくれることのありがたさ。



いかに自分自身が弱い部分を持った人間であったか、


そして、そんな状態でこそそんな弱い部分が表に出てくることを


実感したこの4ヶ月半だった。



未だ完治はしていないが、


職場も変わり、やっと社会復帰することが出来た。



原因としては、以前までいた会社自体にあったと、


先生が言及するまでになった。



消去法で原因を探ると、そういう結果らしい。




家族あっての自分であり、


友人あっての自分。



一番傍にいる人と、


共にまた一歩、また一歩を踏み出せることの喜び。


そして感謝。



しばらくの間、自分と向かい合いながら、


ゆっくりと歩いていこうと思う。