硝子の底の一年
時は
すでに
通過している
砂時計の中で
砂は落ち
硝子の底に
小さな地形をつくる
それが
わたしの一年
色は乏しく
名を与えるほど
整っていない
求めたものは
すべて
この淡い砂の中にある
触れれば
指の間から
沈黙がこぼれる
笑い
怒り
泣けなかった午後
微かな歓び
それらは
同じ重さで
堆積している
時は
折り畳まれた布のように
静かに持ち去られ
古いものを
懐かしむこともなく
遠ざかる
二度と
同じ形では戻らない
その事実だけが
錆びた 釘のように
胸に 残る
残酷だと
言葉を投げても
空気が
少し揺れるだけだ
終わりを
美しくする必要は
この世界には
ないらしい

