口遊〜鳴きウサギ〜 -2ページ目

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

 まぼろしの夏


残暑が 汚い日焼けみたいに
いつまでも続いている

それでも
心に侵食してくる 切なさの満ち潮は
寄せては返す…

砂浜に腰を下ろして
沈んでゆく夕陽を見れば
線香花火の火玉のようで じゅっと
音を立てそう…

何をしていた夏なの?
いつの間に終わった夏なの?
なんでこんなに暑く燻るの?

生きざまも何もかも
不完全燃焼のまま
それでも紅蓮のホムラをあげて
ひたすら 熱い…
夏も命も 玉響なのに…

流れる涙の一粒が 唯一の水
唯一の 青…

冷たい冬がいつかくれば
これも夢に変わるのかな?

あなたは手を取って…
夏の終わり 秋の初め
ひとりでは 歩き出せそうもない…