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口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

白の積もる部屋


色褪せたキャンバス
何も起こらないまま
立てかけられ

埃だけが
時間のふりをして
積もる


白い布は
死人に似ている

あるいは
まだ生まれていない絵に

時は経る、という
都合のいい言い方


埃と雪は
同じ速度で
黙る


沈黙は金だと
誰かが言った

その人の手は
どこまで
白かったのだろう


窓の外
街路樹の光が
増殖して
部屋のキャンドルは
存在を
放棄する


眠れない夜に子守唄

だれがうたう?

機械のない夜に
わたしだけが
音を待っている


誰か
歌わなくていいから

ただ
雪のように
そこにいて…


果てしない闇に

終わりなく白が積もる…



✳︎ たとえば尊敬する詩人の影を追ってみる

ポール・ツェランやロジェ・ジルベール

みたいに…