痕跡のない 悪夢 痕跡のない 悪夢真夜中に 跳ね起きる魘されていたのだとあとから 理解する夢を見たはずだ確かに――あれほどの悪夢が他にあっただろうかと思うほどにはなのに何も 残っていないただ喉の奥に引っかかるような吐き気だけがここにある夢はいつも 形を持たない良く言えば 消化悪く言えば痕跡を残さない暴力ならば これは夢のせいなのかそれともわたしの内側が先に 壊れはじめているのかもしれない