卒業
卒業式は
遠い昔
ただ桜が咲いていただけ
取り立てて夢も無かった
膨らんだ蕾のように
胸を躍らせることもなかった
ただ…
真っ黒な海原に
放り出されたような不安と
友と引き離される孤独
まだ ほんのヒヨッコだったのだ
今にして思えば…
おぼつかぬ 足取りで
前を歩く人に遅れぬように
ついていく
それが社会に出ること
道を見失わぬこと
それまでひたすら がむしゃら
気づけば 鏡の中に
見知らぬ大人の顔が
上手になった自分
卒業 おめでとう
新たな迷路へようこそ
心配しなくていい
大人だって充分迷っている

