渇き | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

渇き



乾いているのは 空気だけではないの
昨日は一歩進んだ…

わたしは髪を切りたくて
少し冷たい風を見上げてみた
今日は 一歩立ち止まった…

落葉樹の色 変わるのも
路に転がる 木の葉数枚
染まらぬまま 立ち枯れる

きみに 贈るはずの言葉
単語にすらならなくて
煌めく前に 落ちた…

薄い暦の後は秒読み… 
時を追いかけて 今年も

追わせる立場にならなけりゃ
余裕なんか持てない だれかが言ったけど

待って…余裕ある人など
本当になれるかな?
明日一歩下がっているようで
それが いま 怖い…



耐えきれず 人の少なきベンチにて

古ぶ手帳の 余白を探す

旅に出でむと 旅に出でむと