二日目…
『桃花水を持つ』角川書店より抜粋
疲れた君がひたすら海をみるための
小さな白い椅子でありたい…
齋藤芳生
ーKeep silenceー
傷ついたり
疲れたりしたきみに
優しく言葉をかけたり
労るばかりが
慰めや癒しにはならないと…
思ったので…
というより…
かける言葉も
術も知らず…
不器用だったので…
黙して見守るより他
仕方なかったのよ…
心の深いところで
きみの笑顔を夢みて
祈るより他
なかったのよ…
ーウサギ
齋藤芳生氏は優れた歌人でもあるので ウサギも
うたをひとつうたいたい…
沈黙について…
憂い顔のきみの御前に額づきて
羽根無き言葉
すこし溢しぬ 鳴兎