ー心の襞の凪沙からー
夢を見ていたのは
凪沙を歩くところ
砂は乾いていたし
風はもはや
止まろうかとするところ
夕陽は傾いていたし
鳥の群れは
塒へ帰ってゆくところ
きみはこちらを振り返り
ナントカ…と言葉を投げかけ
わたしはまさに
それに応えようとするところ…
笑顔だったのに…
二人とも…
二人とも…
静止したそのあとの
映像の中を
一陣の風が駆け抜けていく
凪いでいたはずの凪沙…
不安はいつでも隣合わせ
近くにいるしあわせが
かけがえのないものであればあるほど
聞こえないほんとうの会話…
君…
ナントカって何を
聞いてきたの?
わたしはなんて応えたの?