心の襞の凪沙から | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの


ー心の襞の凪沙からー


夢を見ていたのは
凪沙を歩くところ

砂は乾いていたし
風はもはや
止まろうかとするところ

夕陽は傾いていたし
鳥の群れは
塒へ帰ってゆくところ

きみはこちらを振り返り
ナントカ…と言葉を投げかけ
わたしはまさに
それに応えようとするところ…

笑顔だったのに…
二人とも…
二人とも…

静止したそのあとの
映像の中を
一陣の風が駆け抜けていく

凪いでいたはずの凪沙…

不安はいつでも隣合わせ
近くにいるしあわせが
かけがえのないものであればあるほど

聞こえないほんとうの会話…

君…
ナントカって何を
聞いてきたの?
わたしはなんて応えたの?