ー年の暮れには…ー
水を得し魚のやうなり
歳末の買い出しの君
これ 幾ら?
おんなって強いなあって思うのは
暮れのこの一番忙しい時期
だれに指図される訳じゃなく
DNAに刻まれたとでも言うのか…
歳末何を片付けて 何を飾って
御節の用意はいつからして
いつまでに終えて
年越し蕎麦の手配をして…
正月にはこれらを順次食べて
などなど…
日程が頭に入っている…らしい
ウサギも大掃除に
御節の支度 むかしよく手伝わされた
今は 御節も 注文すれば
素晴らしい御節があるが
むかし田舎で お客さまが沢山来る
家では 上品なお重箱ひとつ分 二つ分
などでは到底足りず…
代々伝わる大皿にガンガン盛りで
広間をぶち抜きにして
宴会場と化した我が家は
子どもの居場所は 離れか 二階へ
追いやられ 子ども用の御節を食べ
子ども用の宴会が設えられた
ウサギは 一週間も前から準備に
駆り出され 五日前には家中の花を
いけなければならなかった
母が小原流だったから 当然 ウサギも
あーだこーだと難癖をつけられて
なんとかいける…これは骨だ
御節は 厨に親戚中の女たちが立った
親戚だけでも多いときで50人来る
他所様がご挨拶に見える 正月三が日は
何が何だかわからない騒動になる
隣の酒屋さんは我が家の為に
シャッターを開けておいてくれる
承知の上だ…
ダースのビール瓶を子ども同士でもって
手伝って運ぶ
下さいな〜!
あらまあ…今年も大変やね…
酒屋のおばさんの台詞
すみません、おやすみやのに…
と ウサギ…
かまわんのよ…家の冷蔵庫やと
冷えんやろしなあ…
こんな会話が懐かしい…
おまけに つまみを山みたいに
差し入れて下さった 優しいおばさんも
もう いない…
小さな田舎町が 活気づいていた
若い父母が 活き活きしていた
父は 県南の知人の漁師さんに
関アジ 関サバ 鯛 マグロ いいのを分けてもらって 捌いてもらった
ご近所にも分けて回った
お使いは ウサギの仕事
踏み固められた 先祖の土地は 先祖の努力でできている
ウサギはきっとその中で 健やかに育っていたんだろう
大切にされた思い出は 正月が来るたび
母の怒号と共に思い出す 笑い
怠けると お年玉なし!
楽しさと おっかなさと 身の引き締まる
年の暮れ…