青い舟 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

ー青い舟ー

記録的な大雪は
いつまでもいつまでも
降り続く…
弱り果てた人の心を
見透かすかのように…

都会はいいよな…
北国の知人がポツリと言った

だけどこの間の積雪で
もはやお手上げだったのよ…
わたしは応えた…
けど…大変だろうなって思うよ…
雪の壁…数メートルなんて
わたしにゃあ考えられないわ
つくづくそう感じて素直に言った

知人は
そう言やお前の故郷の九州も
降ったってな…?雪

まあね…数十年ぶり?
わたしが子どものとき以来かな?
慣れてないから母が心配よ

わがまま返してないで
帰ってやれよ…

笑いながら電話は切れた
雪降ろしやるんだって…
手伝いに行こうか?って言ったら
怪我するからと丁寧に辞退された

白一色の雪の世界は
南育ちのわたしには
想像も出来ない
美しさに危険を孕むことも
わたしは知らない

コインの裏と表のように
背中合わせの毎日に
知らず知らず暮らすことも
何か起きなきゃ気づかない

記録的な寒波はふと気づかせる

忘れてやしないか?
忘れてやしないか?

平和に暮らせることが
当たり前なんて誰が決めた?

春はもうすこし先
身を守る少ない知恵を
最大限に駆使しても
自然の驚異は計り知れない

だからこそ
信じられない天然の造形美も見られる
日蝕に月蝕
そういえば近頃
月蝕見たばかり…

わたしたちの青い星は
どこへ行こうとしているのかな?

宇宙の海を浮かんだ舟のように
その中で乗組員が右往左往している
なんてこと…

だーれも知らない…