青月夜 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

   身にかへてあらそひしのち
               降る夕立      
ー青月夜ー

口喧嘩のその後は
あなたはいつも何か割れたと
言ったよね…
パキンと割れた音がしたと…

あなたは知らない
あなたは気づかない

わたしにも聞こえた音だったのよ

割れる切れるは
縁起が悪い
人の縁の成れの果て…

傷付け合うような喧嘩の後は
背中合わせのサディスティックに
胸空く思いで  心突き放し
自分はどこも悪くは無いと
裸の王様になり果てる夜
浅はかなことに 馬鹿なことに 
わたしもあなたもdevil eye
哀しい色した devil eye

今宵は月がBlue moonだったし
或いは月の見えない朔の夜に

この世で一番傷付けたく無い
ほんとは お互い合わせ鏡…

心の鏡を素手で割って
傷つけた筈の痛い言葉で
わたしもあなたも傷だらけ
真っ赤な真っ赤な血を流す

悪い言葉を吐かれたよりも
吐いたほうが 傷になる

割れた心の鏡は元に
戻っていったりするでしょうか?

よく似た二人が
明日目にするダイス
振れば ましな目が出るでしょうか?

青い鳥は探さなくても
ほんとは手許に在るのだと
子どもの頃に読んだ物語

青い鳥は 囀るでしょうか?
泣きながら 泣きながら 泣きながら
わたしは耳を欹てています


ちぐはぐな言葉と心噛み合はず
生きる心地もせむ青月夜