最期の花火 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー句ー

水鏡映る花火に暗き過去

ー最期の花火ー

胸に響いた花火の音は ビルの谷間を縫って開いて
真夏の夜を彩っている

わたしには 遠すぎる夏
わたしには 痛い夏

あの日 火の粉の舞う中を
砂塵のように舞う中を
あなたは どこへ消えたのだろう

美し過ぎる景色と色が
残酷過ぎる過去と繋がり

立って居られないほどの恐怖に変わる

あなたは どこへ消えたのだろう・・・

夢を見られるのは ほんの僅か
花火が散るのも ほんの僅か

刹那の 愁いと美と哀しみが
暗い夜空で交差する

今年で最期にしようと決めた
わたしの拙い一生で
大輪に咲く 花火 花火

来世生まれてくるときは
哀しくはない 花火が見たい

幸せそうな 人の群れ
掻き分け 掻き分け 夜道を急ぐ

駅までの道がぼやけて霞む

あなたはどこへ
逝ってしまった・・・?

ーうたー

うつろなるぎやまんの目に遠花火
過去と今とを いきかふている



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関東は 梅雨明けを果たしました 夏本番になりました
あちこちで 夏祭りが催されるようです

むかし 大好きだった夏祭り 今は少し苦手になりました 年かな?(苦笑)

脱水症状など起こしやすいので 気をつけてお過ごしください

    鳴兎   拝