祷り | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー祷りー

降りやまぬ雨と 泣き止まぬ胸の潮騒
もう七夕の夜も過ぎて
今年も半分終わったことを
君はまだ半分と笑う
時の重さの一粒は人それぞれ
それを言う度に
まったくあなたは皮肉屋だと
君は声を立てて笑う

君の前向きさに
わたしはいつも感心しはするけれど
いつまでも明けない梅雨空のように
君を見ているとわたしは
泣けてきて仕方ない

きっとねえ 思うんだよ
直向きとは 君のことをいうのだろうと
そんな直向きな君を わたしは愛しいと思う

慈悲というものがこの世にあるのなら
神や仏は君にくださる
君のような優しい人にくださる

わたしは君の晴れ間のような笑顔に触れ
美しい絵を見るように
祈りを捧げる

わたしたちを創り 落とし賜うた
万物の創造主へ

幸いは この笑顔に
雨のように降り給えと…

ーうたー

だしぬけに祈りの想い湧く日には
一条の陽の雨雲を抜く