菫色の決別 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの


ー菫色の決別ー

二度と 待たせたねとは言わない人に
もう一度 言ってもらうために

痩せた背中を伸ばして
春浅い 蒼空を見上げてみる

声が届かなくても
こころが 届かなくても

わたしはここにいて
いまよりずいぶん 子どもだったあの頃に
深い感謝を込めている

綴れ織りのような わたしたちの道程は
茨ばかり踏みしめたけれど
聖母マリアが歩いたように
きっと その跡には
青い花が咲くでしょう

二度と 共に歩もうとは言わない人に
もう一度 腕を貸してもらうために

一回り ぶかぶかになったコートを
ウエストの辺りで きっと引き締め
アスファルトを鳴らして歩こう

ずいぶんと 葉を落とし
花も 無くなってしまったわたしだけれど

あなた・・・
あなたが見つけた あの頃の何にも知らないわたしよりは
薄い菫色が 似合うようになりました

こころから 今も これからも・・・
青い湖に 憧れているわたしは
遠い目をして今日を生きています