春の酒場 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

生きる為に 息をするのを忘れていた
わたしのまわりが 息をするには狭すぎる
野々草を摘んで 口遊みなが ゆっくり ゆっくり歩きたい
勝利者とは誰のこと?
居心地の悪いところに居たくはないの

ー春の酒場ー

舞い降りてきた 一羽の鳥が
気の済むまで 愛を囁き
魅せるだけの ダンスを踊り
やがて 飛び立って行く

迷い込んできた 猫の子が
お腹が空いたと 擦り寄って
満たせるだけの 愛を食べて
また路地へ 消えてゆく

誰が 悪いんでも無い

さみしかったり 愛が欲しかったり
満たされれば 飽きてしまい
そっと 逃げてゆくもの

新しいものは 古くなるし
古いものは 捨てられる
目移りは 人の常
しっぺ返しも 折込済み

習い通り 世の中は
巡る因果の糸車・・・

仮の宿でも 宿屋でも
遊び人でも 無いけれど
愚痴くらいは 聞いてあげられる
わたしだって大人だもの

約束してよ
ひとつだけ
心という部屋は ノックしないで・・・

あなたは 明日は 何処の街でこんな愚痴を
話すのか知らないが
酔った勢いで旅人よ 
過去だけは忘れないように持って行って

空気の狭いこんな街の 出逢った酒場の片隅に
あなたの過去なんか 残さないで 
綺麗さっぱり 後腐れなく 持って消えるのが流儀

腹を括れないんなら 彷徨いなさい
誰かと 深くなるのはおよしなさい
傷を増やし 誰かを泣かせ
愚にもつかないことは 心に怪我をする人が
悪戯に増えるだけ

むかし 旅人だったわたしが言うのよ
根を張るときは 覚悟して・・・

ーうたー

しがらみは高き馬柵(まさく)にあればこそ いつか蹴立ててそれ飛び越えむ


★ウサギは 酒場の雰囲気が好きです お酒の入ったワイワイした感じが好きです 結構飲むんだけど 最近じゃ めっきり呑めなくなりました(医者に止められて ううう)でもその場限りにしたいですね ほろ酔いくらいが丁度いい 若い頃は限度なんか分からないほど酔ったりしてたけど 流石に それは 無様であることを実感しています

お酒の上で知り合った関係なんかは 酒は水物 流れる縁 コレよく通ってた素敵なお店のママの言葉 上の詩は ママが とあるお客さまにお説教してたときを思い出して書きました
もうずーっと前の話 お元気にしてらっしゃるかな?ママ・・・

夜目 遠め 傘の内 とも言いますもんね・・・あはは わたしはそれほうがありがたいけど

  鳴兎    拝