ー短歌 抜道ー
宿り木ををゆづり続けて這う蔦の行き場無きまま石に絡まる
人の幸吾が幸なりを心得よと幼心に植えつけられし杭
解(ほど)けどもとけぬ生きるといふことの理想の柵をわれ越えきれぬ
祈り声の満ち足りぬ夜の喧騒は嵐の海に舟出すごとき
執心と疑念の渦を見てしより吾は眩暈する秋津となりぬ
珈琲の湯気に模(かたど)る君が影指延ばすれば形失ふ
いつよりか夢は遠くの星のごとかがよふなれど見るに留めリ
たよりなき吾が胸の影映してはレントゲンの画ひとつ咳する
地下鉄の階段踏めば思はるる出口が君の町ならば良き
君の愛に応へまほしと思ふれど愚者なる吾に愛は難くて
ー抜道ー
出口が見付からないままに
今日も壁伝いに歩いていく
あの人の声は ますます 遠ざかる
まるで むかしが夢だったとでも言うかのように
わたしは知らないまま 年を取り
浦島太郎のような状態で すっかり時間の概念をなくしてしまい
戸惑う果てに 貝になる
抜け道は見付からない
時がくるまで それを教えてはくれない
ただ だまって 膝を抱えて 鬼が過ぎるのを待っていよう
かくれんぼしたときみたいに
貝のまま 貝になって いつか 流れて
どこかの海に辿り着くまで・・・
★ 久し振りに 忙しい合間にノートに書きためた歌を集めてみました
う~ん・・・相変わらず重苦しい歌ばかりですね・・・
それに 感性の渇きが・・・・疲れかな?
みなさまも疲れが出やすい時です どうぞお身体 ご自愛下さいませ
鳴兎 拝