祇園会の山車の高さや飛来神
ー伝書鳩ー
慣れた町並みは 刻み続ける
もう 陽に焼けた古い思い出
痛みと 決まり悪さに狼狽えるわたし
目の細かな魚の網に
絡まり囚われた感覚を 今も抱く故郷
もう 遠慮はいらないとは
決して言ってはくれない
優しさとあたたかさに溢れているのに…
わたしは知っている
巣立ちを終えた人に
古い巣は小さくて
合わない服を着せられたようなもの
この町をいくら探しても
わたしが時めくものは無く
この坂をどこまで登っても
下るしか無い道だとわかる
逢いたいと思う人はいないし
共に歩を進めたいと思う人は見えない
わたしにとって癒しの場所は
もはやわたしが棲む場所でなく
漂い咲く 芙蓉の白のように
夕暮れ時に 戸惑い青ざめる
さみしいと…声に出して
むかしのわたしの部屋から
あなたへ伝えたいけれど
伝わらないと知っているから
言葉にすらならない
わたしは 籠の中
歌えず飛べず よくよく訓練された伝書鳩
行く先知らず
帰る先が故郷(ここ)だと
ただ刷り込まれ
ほんとうの翼の意味をわからないまま
ほんとうの あなたにも逢えていない
ーうたー
あらそひし言葉の棘の刺さるとき
涙変わりに浜木綿の咲く