ーうたー
いましめを解き放たれし日を待たば吾に自由など来るはずもなし
(imasimewo tokihanataresi hiwomataba
ani jiyunado kuruhazumonasi)
ー濃霧ー
飛ばなくなった飛行機は
深い霧に遮られる
管制塔の制御の灯り
それさえ 光を届かせず
わたしは ひたすら 佇んで
滑走路だけを見つめている
大胆に走るのは 木枯らしという名のランナーだけ・・・
もう一度飛ぶために
深くしゃがみ込んだわたしは
しゃがみ込んだ姿勢のまま
もうどのくらい時が過ぎたか
数えることさえ 忘れてしまった
彷徨いはするものの
漂う程度の高さで 溶けて
いつも 闇に沈殿する
そんなことがいつまでも続く
頼りになるはずの自分が
全く頼りにならないものと知った時
人は一気に坂道を転げ落ちる
絶望が成立する音は 自分の靴音に紛れ込んでいる
歩くほどに付き纏う
それでも・・・
もう一度飛びたくて
わたしはふたたび 旅に出る
戻ってきては 憂鬱は深くなるばかりだと知っていても
それでもふたたび旅に出る
翼の折れる その日まで・・・
ー句ー
きりぎしを惑うより疾く雪崩れ来よ
(kirigisiwo madouyori toku nadare koyo)
☆ きりぎし・・・断崖