ーうたー
闇に雪おとがひ掠め冷たくていよいよ君を隠さむとする
(yamini yuki otogai kasume tumetakute
iyoiyo kimiwo kakusantosuru)
☆ おとがひ・・・あご
ー闇雪ー
響かない言葉など 叫んでみても仕方ない
わたしの声は暗闇の空に掻き消され 吸い込まれ
なんの役にも立ちはしない
むかしまだ 明日よりも美しいものは無い頃に
明日は暗いふりをしていた
ほんとうに明日が暗いことを
あなたに逢って 思い知った
嘘つきなのは わたしであって
あなたでは 無い・・・
あなたに永久を誓ったのは ほんとうのわたしだけれど
傍に居てあなたを護れないわたしは
どう考えても 嘘つきだ
居座る寒さの頑なさのごとく
冬の憂鬱は身に堪え・・・
今更 ぬくもりを恋しがる
ひとりに馴れたふりをして
またしても嘘をつくわたし・・・
あなたが消えて・・・
わたしのくちびるは 嘘ばかり憶えてしまった
作り笑いの口角の端
ほくろに謝罪の影が落ちれば
あなたは 許してくれるだろうか・・・
それとも・・・
ありきたりな ごめんなさいは
あなたには通用しないのかもしれないと
わたしは 雪の降る夜道 戸惑いながら歩いている
見上げれば 蜂の巣のような マンションの灯
灯りの無いのが わたしの部屋だという・・・指向
これが全部 夢であればいいのに・・・
うつし世は 寒すぎる 今夜は冷えすぎる
中森明菜 「愛はかげろう」雅夢 カバー
ー句ー
寒禽は礫となりて冬を裂く
(kankinwa tubutetonarite fuyuwo saku)
☆ 寒禽・・・冬鳥の総称