ー囁声ー
煙の立ち上る 戦火の街を彷徨った
あなたに似た人を探して
空は蒼い どこまでも蒼い
煙の隙間に穴が開いて 誰かが覗いているように
そこだけが静かで清らかに澄んでいる
地を這う 人の群れは 叫びながら 喚きながら 苦しみながら・・・
空から 見降ろせば 人というものは とても哀しく滑稽だろうか?
人の祈りは どこまで届く?
終りを知らぬ いさかいの中で ちっぽけな祈りが どれほどになる?
繰り返す過ちの 学びも進歩もない愚かしさの中で
祈りが叶うはずもないけれど
見渡す限り 祈る人の群れは
見上げて仰ぐ あまりにも美しい空
地上とは似ても似つかぬ 清らかさだから 憧れるのだ・・・
祈りの声が 多過ぎて
純粋な祈りと 単なる欲望とが 混沌として もうわからない
それでも祈りはますますつのる
あわれな手のひらを 擦り合わせる
ひとりでは身も温められぬ 寂しい群れは・・・
誰かに慈悲を 誰かに恵みを 誰かに愛を与えて欲しくて
同じ祈りをまた繰り返す
それしか 知らないものだから・・・
それしか ないものだから・・・
過ちを過ちとさえ気付かぬままに・・・
この星はいつか 堕ちるのだろう
その時もまだ 祈るのだろう いつまでもいつまでも
わたしは そうして あなたから遠くなる
だんだんと 遠くなる
尊さというものから かけ離れてゆくようで・・・
そんな気がして 瓦礫の中で 激しい眩暈を感じている