ーうたー
下駄の緒の切るるをみれば いささかの
憂ひの在りて 家に篭りたり
ー卜占(ぼくせん)ー
夏の暗夜の野辺を行けば
明滅する闇の先
薄い黄色か緑色の
蛍は予言を告げる色
うら若い 薄の青が
群雲に消える月を呼ぶ
救済の青・・・
夜目の利く鳥たちが
けたたましく空を渡り
黒い羽を舞い躍らせて
その抜け落ちた一枚が
不吉の風を幽かに吹かせる
禍つ種は いつも
人知れず小さく芽吹くのだ
それを知っている森は騒ぎ
小川に伝達させるけれど
強固な城を持った人々は
飽食の夢にどっぷりと浸かっていて
正体なく眠りこけている
鳥や獣はいち早く
その危険を察知して
少しづつ姿を隠しているのに・・・
明日のことは誰も ワ・カ・ラ・ナ・イ
ー句ー
河骨の 横臥のままに 咲く黄花