アリスにはなれなかったよ | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

ーうたー
夢路行き 彷徨いみれば不思議なる

 辻褄合わぬ事も楽しき

ーアリスになれなかったよー

塀の上で 笑っていたのは
ハンプティ・ダンプティではなくて
近所の野良猫だった
夏の光が ころころ転がって
アカシアやミモザやマロニエが
からかいながら 降る お昼前
夏空は 白い積乱雲
もくもく湧きあげて
ああ 心地よく背伸び
庭に現われた白い兎が
にんじんを齧りながら
時間が無いのか 急いで逃げる

$まほろば

アリスになれないわたしは
チェシャ猫のようなあなたの
アイロニーたっぷりの おしゃべりに 飽きて
迷い込むみたいに
石造りの 屋敷の中を
帽子屋を探しに立ち上がる
あっち こっちの 矢印はないけれど
三月うさぎの曖昧な案内

きっと頭の上のお部屋では 
赤の女王 小さな王様従えて アップステアーズに
いらっしゃるから静かにね

辿りついたキッチンで
出来立てのクッキーをつまみ食い
だって イッツ・ミーっって言うんだもの

$まほろば

そうしてゆっくり夢から覚めて
洗濯物の前で居眠り
昨夜の夢の続きを見ていたの

チェシャ猫みたいなあなたが
アイロニーたっぷりでも
もう一度逢いたいわ
もう一度謎の世界へ 連れて行って欲しいの

怖くて不思議で いつまでも 目覚めたくない
ハートの世界へ・・・

$まほろば

アリスの画像Alice+Ridderさま&ウィキぺより


ー句ー

アマリリス蕾みの中に火を隠す