夢路行き 彷徨いみれば不思議なる
辻褄合わぬ事も楽しき
ーアリスになれなかったよー
塀の上で 笑っていたのは
ハンプティ・ダンプティではなくて
近所の野良猫だった
夏の光が ころころ転がって
アカシアやミモザやマロニエが
からかいながら 降る お昼前
夏空は 白い積乱雲
もくもく湧きあげて
ああ 心地よく背伸び
庭に現われた白い兎が
にんじんを齧りながら
時間が無いのか 急いで逃げる

アリスになれないわたしは
チェシャ猫のようなあなたの
アイロニーたっぷりの おしゃべりに 飽きて
迷い込むみたいに
石造りの 屋敷の中を
帽子屋を探しに立ち上がる
あっち こっちの 矢印はないけれど
三月うさぎの曖昧な案内
きっと頭の上のお部屋では
赤の女王 小さな王様従えて アップステアーズに
いらっしゃるから静かにね
辿りついたキッチンで
出来立てのクッキーをつまみ食い
だって イッツ・ミーっって言うんだもの

そうしてゆっくり夢から覚めて
洗濯物の前で居眠り
昨夜の夢の続きを見ていたの
チェシャ猫みたいなあなたが
アイロニーたっぷりでも
もう一度逢いたいわ
もう一度謎の世界へ 連れて行って欲しいの
怖くて不思議で いつまでも 目覚めたくない
ハートの世界へ・・・

アリスの画像Alice+Ridderさま&ウィキぺより
ー句ー
アマリリス蕾みの中に火を隠す