カフェにて | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

ーカフェにてー

あなたと歩いた街の中で
迷子になってしまったの

二人で行った 店に行きたかったから
ダッチ珈琲を飲ませてくれる
あのお店にね

そうしたら迷子になったわ
一人じゃ何も出来ないのね わたしは・・・

まるで知らない星に 放り出されたみたいに
とても心細かった

そんな時 緑に翻る風が
背中を押してくれた
まるで あなたが誘うみたいに

木立を抜けたら
喫茶店はまだ あの日のまま
おしゃれなマスターも あの日のまま

あなたの話しで少し
顔を曇らせ 残念ですと 呟いて
二杯分の珈琲を
いつもの席に並べてくれたわ

あなたとわたし
二人のことを
覚えていてくれる そんな人も
広いこの世界にはいるんだと思えば 
わたしは嬉しかったわ・・・

緑の木々は とても綺麗な風を
吹かせて 幸せなあの日と同じように
キラキラと輝いているから
もう きっと寂しくないわ