ー句ー
あいまいな風情を春といふぞかし
ー虚飾ー
関東 曇天
春さかりといへど 未だ 春がどこにあるか 花の
ひらくのを見ないでいると 季節が変わっていること
すら 気付かない 肌寒い有様
今年は夏がこないのでは あるまいかと
思えるのだが 昨年の夏 冬が来ないのでは
ないかと心配したのに こんな寒さだから
心配はいらないのだろう
この星の気候が変化するただ中に いるのでは
ないか
自分の言葉が 心憂くことばかり 並べ連ねて
いる日々も 一つの引き金は このあいまいな季節
にある気もしている
春風のような うたをうたいたいけれど
それはイミテーションになりはしないか 不安
虚飾の言葉は綿菓子だ
空気に触れれば 小さくべとつきながら
しぼむ 甘いのだという香りを漂わせて・・・
まさに夢の末路 これはなさけない
私は綿菓子が嫌いでは ないが一口でいい
しまいかけては また引っ張り出す
コートにちょっとため息をつきながら
病院までの道を歩こう
コンクリートに埋められた さみしい川に
自分の顔を映しながら 眉根ひそめるその顔を
今日くらいは やめといたらどうだと 言わんばかり
のタンポポの花が 肌寒さの中 揺れているから
無理に笑ってみると 散りだした梅に
笑われて やるせなく俯く
花の時 麗しく花のまた花に 街を染められ
無機質な都会のビルも 春をうたう
不器用な人が 花見をするように
そのシルエット 少し可笑しい
精一杯今日は 虚飾の美を 綿菓子を
好んで使おうかと 負けじ魂が 頭をもたげる
確かに 春の朝・・・
ーうたー
花さかり 鮮やかなりし 町間ゆき
などか一色 足りぬ心地す