虚飾 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

ー句ー

あいまいな風情を春といふぞかし

ー虚飾ー
関東 曇天
春さかりといへど 未だ 春がどこにあるか 花の
ひらくのを見ないでいると 季節が変わっていること
すら 気付かない 肌寒い有様

今年は夏がこないのでは あるまいかと
思えるのだが 昨年の夏 冬が来ないのでは
ないかと心配したのに こんな寒さだから
心配はいらないのだろう

この星の気候が変化するただ中に いるのでは
ないか

自分の言葉が 心憂くことばかり 並べ連ねて
いる日々も 一つの引き金は このあいまいな季節
にある気もしている
春風のような うたをうたいたいけれど
それはイミテーションになりはしないか 不安

虚飾の言葉は綿菓子だ
空気に触れれば 小さくべとつきながら
しぼむ 甘いのだという香りを漂わせて・・・
まさに夢の末路 これはなさけない
私は綿菓子が嫌いでは ないが一口でいい 

しまいかけては また引っ張り出す
コートにちょっとため息をつきながら
病院までの道を歩こう

コンクリートに埋められた さみしい川に
自分の顔を映しながら 眉根ひそめるその顔を
今日くらいは やめといたらどうだと 言わんばかり
のタンポポの花が 肌寒さの中 揺れているから
無理に笑ってみると 散りだした梅に
笑われて やるせなく俯く

花の時 麗しく花のまた花に 街を染められ
無機質な都会のビルも 春をうたう
不器用な人が 花見をするように
そのシルエット 少し可笑しい

精一杯今日は 虚飾の美を 綿菓子を
好んで使おうかと 負けじ魂が 頭をもたげる
確かに 春の朝・・・

ーうたー
花さかり 鮮やかなりし 町間ゆき

 などか一色 足りぬ心地す