望綴 | 口遊〜鳴きウサギ〜

口遊〜鳴きウサギ〜

鳴きウサギ|Nakiusagi
静かに鳴く小さな声のウサギ。
青薔薇の咲く場所で、和歌・童話・詩・願いを綴っています。
2009年より、呟きのように日々を記録。
noteでは「舞香亭幻想香炉」という物語の香りを、そっと灯しています。

https://note.com/nakiusagi44

ーうたー
わらべうた 野遊びうたふ 楽しさは
 
  花もたはむれ 鳥もたはむれ

ー望綴ー

次に生まれてくるのなら
春散る花に 生まれたい
仄かに甘き 月の夜 ひとり静かに
咲いている 草に紛るる その中で
雫を帯びて ふつくらと
人を恋ふやうに ひらきたい

もしも生まれ変るなら
春行く鳥に変りたい
陽だまりあふるる 晴れた日に
白く大きな 羽根広げ 青さの海に
のびのびと 北を目指して 前を向き
人の恋しと 声あぐる

わたしが 野辺の花ならば
草を枕の 旅人の
枕辺そつと ゆれながら
むかしの話しをきかせやう
侘び空一つ 星一つ
ため息一つ 引き取りて

わたしが 空飛ぶ鳥ならば
波を枕の 旅人に
波の調べと 音を合わせ
水面切ないかなしみうたふ
暗闇一つ 月一つ
さみしさ一つ 取り去りて

それが小さく望むこと
人と生まるること 哀し 
たつたこの世の苦しみも
どうにもならぬ 弱きもの
恋が辛ろふて 恋もせず
慕ふこころもしらぬまま

そうしてそれが出来るなら
希望も少し持てるのに

ー句ー
望みとはかけて渡れぬ 春の虹