“コロナでライブハウスが危機に瀕している”てな話を耳にするが、オレの実感としてはコロナより前から危機に瀕していた。



 理由は以下の通り…

 バンドマンの平均年齢が上がり、堅気の仕事をしてる者も増えた。従って平日は客が来ない。

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 店側は平日出演バンドからノルマを取る。

 その手のライブは、店側が適当に選んだ何の接点もなさそうなバンドの寄せ集めになる。

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 この時点でバンドマンは考える。

 ①ノルマを取られてわけわかんねー輩と対バンするくらいなら、頑張って自分らで土日に企画をする。

 ②企画をするには友人知人もいないし金もない。今は力をつけるために何でもいいからライブをやるべきだ…という事で粛々とノルマを払ってライブやる。

 ③アホらしいのでバンドなんか止めちまう。

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 かくして、ますます平日出るバンドは少なくなる。

 いっぽうで土日祝日は方々でイベントが重なり、ただでさえ少なくなりつつある客の取り合いとなる。

 企画する側は当然1人でも多く客を呼べるバンドを出したい。


 客というのは、基本的におっさんとおばさんで、もはや音楽を聴きにくるのではなく、いつもの仲間といつもの場所で酒呑んでウィーとやりたい…いう人らが9割だ。

 そういう“客”をたくさん…たくさんと言っても大した数ではない、5〜30人くらいね…とにかく、それくらいなら常に集客できるバンドが30個くらいあり、そういう客が集うライブハウスが5軒くらいあるとしよう。

 1軒につき1日5バンド、土日合わせて10バンド。それらが組み合わせを替えながら尤もらしいイベント名をつけて、巡業公演のごとく週末ごとに小さな店で“ライブ”を行う。


 客は(酔っ払ってロクに聴いちゃいないけど)気まぐれに写真や動画を撮って、ウィーと叫んで、SNSで“最高!”とか投稿する。奴らは何でそんな事をしているのか?


 思うに、“僕たち私たちは人生楽しんでるぜ!”という事を確認したいのだろう。


 SNSで“いいね”ボタンを押されることによって、その認識を強める手助けとなるのだろう。


 毎週末“ウィー”とやる事で「自分の人生は無味乾燥で虚しいものではない。他の奴らとは違う有意義でハッピーで特別なものだ!」と実感できるのであろう。



 そんな場所に若い奴らは来ない。


 何故って?


 何も起こる予感がしないからだ。



 歳を食ったヤツらも、1人また1人と足が遠のいていく。


 何故って?


 家庭の事情、

 身体の具合、

 ふいに押し寄せる虚無感etc



 …といった理由で、ライブハウスはもともと危機的状況だったのではなかろうか。


 バンド関係の友人知人には非常に言い難いが、オレは密かにそう思い続けている。