最近オレのお気に入りの街、国分寺に出かけた。1968年に発生した三億円事件の現場を巡ってみようと思ったのだ。今日は久しぶりに暖かい。

まずは、芝浦電気(現・東芝)府中工場のボーナスを積んだ現金輸送車が出発した日本信託銀行国分寺支店跡。北口商店会という両側に庶民的な店が軒を連ねる狭い通り。現在は三菱東京UFJ銀行が建っていた。事件当時とは道も大幅に変わっている。付近に名曲喫茶『でんえん』を発見。

殿々谷戸ガードを潜って次に向かったのは、犯人が奪った現金輸送車が乗り捨てられた国分寺遺蹟脇の墓地。墓地といっても、墓がひとつあるだけで、四方の空き地にはロープが張られていた。現在は歴史公園を建設中だが、事件当時は車を停めたのだから、おそらくロープもなかっただろう。

そしてさらに、犯人が現金輸送車から現金2億9430万7500円を積み替えた盗難カローラが乗り捨てられていた空き地。国分寺街道からすぐの路地裏だが、ここには現在個人の家が建ち、空き地ではなかった。驚くことに、国分寺街道のすぐ向かいには交番があった。

肝心の犯人が現金輸送車を奪った府中刑務所北側は、オレが中学3年生のときに訪れているので、今日は行かなかった。当時、事件発生からちょうど20年で、民事での時効も成立した日だった。その日オレは学校が終わってから現場に出かけ、写真を撮った。

こうしてみると、事件が発生した当時は空き地が多く、のどかだったのだろう。オレはその足で武蔵国分寺跡に向かった。林や畑地が多く残るこの場所からは彼方に東芝の塔が見えた。三億円事件のはるか昔から、ここは歴史の名残をとどめている。

お鷹の道を散策し、湧水が出る真姿の池で足を止める。遊歩道の脇には住宅がひしめき合っているが、蛍が棲息するという。野川には大きい鯉が多数見られた。最後にまた殿々谷戸庭園に戻ってきて、現場巡りは終了。