先日、テレビ番組でリック・バロンという人

が紹介されていた。

彼は、超記憶症候群という、世界で

四人しか確認されていない病気の

持ち主なのだ。

病気といっていいのかどうかは疑問だが、

彼は、自分の人生において、見聞きしたことの

四十年分を逐一覚えているのだ。

彼が凄いのは、事象、事柄だけではなく、

それが何月何日に起こったというのまでを、

記憶しているのだ。

新聞で読んだ歴史に残る事件も、いつどこで

誰と何を喋ったのか、どこで何を買ったのか、

その全てを日付とともに覚えている。

しかも、覚えようとして覚えているのではなく、

自然と脳の中にインプットしてしまうというのだ。


リック・バロンは、番組中に、こう話していた。

「自分には、感情がない。ただ、起こったできごとを記憶

しているだけだ。そこに、懐かしさも何もない。四十年前

の記憶も昨日の記憶も、一緒だ」


この言葉から、彼の悲しき業のようなものを感じた。

人は昔を思い出すとき、懐かしさで胸が一杯になり、

若かった自分に戻れる瞬間を味わう。

しかし、彼にはそれがない。


人は忘れることが出来るから、次に進める。

それが成長へと繋がる。