昨年の11月に、職場内で配置換えが行われたんだ。
これにより、薬を渡す窓口で、頻繁に患者さんと接するようになったんだ。
しかしながら、俺の不注意で、今年の1月から3月末までは、窓口に立てなくなった。
人生初の業務制限だった。
だけど、4月から再び、窓口に出れるようになったんだ。
そこからは、ミスなく上手くできている。
とにかく、ここで大事なのは、接遇なのだ。
俺は、常に考えながら、行動している。
確かに、型通りのマニュアル遵守ってのは、いいのだけど、それだけじゃ、上手くいかないのが、人と人のコミュニケーションなのだ。
だから、俺は思うんだ。
オーダーメイドだよなってね。
こう思いながら、そして、一瞬一瞬を大切にしながら、窓口で薬を渡している。
2024年7月4日、俺は午後2時過ぎから、窓口に立っていた。
確か、午後3時頃だったと思う。
目の前に、ひとりの患者さんが、ニコニコしながら、俺のことを見ている。
そして、声を掛けられた。
「窓口で、何人もの人を見てるけど、患者さん対応が丁寧で、患者さんに対する優しさがナンバーワンなのは、あなたよ」ってね。
窓口には、1995年から立ち続けているけど、こんなことを言われたのは、初めてだったんだ。
素直に嬉しくってね。
常日頃から、どうやったら、患者さんは、笑顔で薬を受け取られて帰れるかを考えながら、そして、試行錯誤を繰り返しながら、やってるから、この日のことがあったと思う。
やはり、窓口というものは、その日の顔であると思うし、患者さんは、よく人を見ているのだ。
その患者さんと会話をしたんだけど、こうも言ってくれたんだ。
「窓口を見ていて、今日いるかな、いないかなって思っていたら、窓口に姿があって、嬉しくって、私の薬を渡してくれないかなって思っていたら、本当に来てくれた」ってね。
これを聞いた時、俺のこれまでやってきたことって、間違いじゃなかったって思ったんだ。
常に見られているってことを意識しながら、より良い接遇を心掛けなきゃなってね。
そして、今回のように、この人に薬を渡して欲しいなって思われるように、一つ一つの行動を丁寧にしなきゃなって思ったんだ。
それに、大事なのは、見た目のカッコ良さとかではなくて、感じの良さだってね。
言葉は適切でないかもだけど、今回の患者さんは、俺のことがお気に入りなんだろう。
つまり、俺のファンなんだろうなってね。
おしまい。