
気づいたときには、ここにいた。
音もなく、人の気配もない。
ただ、白い光に包まれた空間。
ここはどこなのだろう。

私はどのくらいの時間、ここにいるのだろうか。
時の流れから切り離されたような、不思議な感覚に襲われる。
なにもわからないまま、私はただここにいる。
しかし、本能のような何かが、認めたくない、ひとつの怖ろしい確信を囁き続ける。
――ここは、地球ではない。

ふいに、室内の照明が燃え上がるような真っ赤な色に切り替わった。
自分が乗せられたこの「乗り物」が、事故にでも遭ったのか?
それとも、戦いにでも巻き込まれたのだろうか。
そういえば、部屋全体が微かに振動しているような気がする。
マヒしていた五感がよみがえり、静かに高まる緊張感に、動悸が速まる。
確かに、何かが起きている。

突然、がくん、と部屋が揺れた。
首筋がキンと音をたてた気がした。
次にやってくる「何か」を覚悟して、身構える。
しかし、訪れたのは、それ以前にも増した静寂だった。
照明が緑色に変わる。
ふたたび本能が告げた。
この「乗り物」がどこかに到着したのだということを。
そしてそれは当然、地球ではない――
ふいに、扉が開いた。
Canon EOS 5D MarkⅡ + EF 24-105mm L IS USM, EF85mm f/1.2L USM
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