お久しぶりです.4年の安井です.
先日の冬季公認をもって,引退しました.
寛容な後輩のおかげでここまで続けることができ,本当に感謝しています.
話したいことがたくさんあって,書きれないなと思うと同時に,それだけ都立大水泳部での時間が僕にとって大きなものだったのだということを実感しています.
長くなってしまいますが,よろしくお願いいたします.



1.    冬季公認

冬季公認は50 Br, 100 Brともに大学ベストを更新しました.冬季公認前は,卒業研究に追われていて,ほとんど練習できていなかったので,自分でも驚きました.このままでは練習しない方が速くなると思われかねないので,冬季公認で思ったよりタイムが出た理由を考えてみたいと思います.


・大会に向けてすべきことに迷いがなかった.
短期間で大会に合わせるのに慣れたなと思いました.(春夏の長期休みに全く泳がなかったり,テストの時にちゃんと練習できなかったりして,満足に練習が積めていないまま,すぐ調整して大会,というのが何度かありました)大会前どんな練習をしたら,調子が良くなるかに関して迷いがなかったです.スプリント系というよりミドル系の練習の中で調整した方が良いということも分かっていたので,出場種目的には違うかもしれないけど,ミドルチームの練習に入れてもらいました.啓太,智也,優騎,いつも作成ありがとうございました.

・細かい動作がうまくいった
水泳において,50Fr1)に限らず,すべてが完璧に決まるレースってなかなかないと思うのですが,今回の冬季公認100Brはあまり大きなミスなく泳ぎ切れたと思います.冬季公認前の半年は,都立大プール使えず,水深が浅くて浮き上がりも飛び込みもできない外部プールでの練習がメインでした.そのおかげで逆に,大会の日のアップやレース中に,飛び込みや浮き上がりやターンを丁寧に,ミスなくできました.練習環境を用意してくれた現幹部である拓真,瑞穂,理紗子には感謝しています.

・精神的に落ち着いていた
レース前の精神をどう持っていくか難しいと思うのですが,僕については,緊張しすぎも,緊張しなさすぎ(楽しみすぎ)も良くないと経験的に分かっていました.
今回の冬季公認は練習しなさすぎて,なるようになれというか,今からできることするしかないというか,そういう気持ちで泳いで,これがちょうどよかったみたいです.こういった,あとはやりきるしかない!という気持ちは,練習を十分やりきってから思うのが理想だと思うのですが,最後の最後はみんなこう思うしかないのかなと思いました.
 初日の50Brの結果で100Brいけるんじゃない?と思えたので,初日の4×50FRに誘ってくれた巧磨には感謝しています.(歴一更新できなくてごめん)
 練習できてなくてもやりきらなきゃと思えたのは,麻央里はじめ2マネが定期的に声をかけてくれたのと,レース直前に会ったとき「引退してきます」と言わなければならないと思わせてくれた拓真はじめ,みんなの普段の練習の姿です.本当にありがとうございました.


まとめると,落ち着いたメンタルで,細かい動作一つ一つが決まったおかげで,体力の割にいいタイムが出たのだと思います.水泳って奥深いなと思いました.
今シーズン入ってから半年の成果というよりは,自分のこれまでのレース経験と,23-24シーズンのみんなのおかげだと思っていて,中学,高校,大学と僕に平泳ぎを続けさせてくれた人たちを含む,これまで関わってきてくれた方々に感謝します.

細かいテクニックの部分は,大学から始めた人(今の2男とか)にとって,現状弱くて,これから伸ばしていける部分だと思うので(上からの言い方になってごめんなさい),そういった部分の大切さを後輩に伝えるために,神様は僕にこんなタイムを出させたのかなと思います.(美談にしすぎ.お前きもいな)



2.    引退の実感

引退した人はどんな時に引退を実感しましたか?僕は冬季公認二日目のチャレンジレースを見ているときです.颯一郎と和希に連れられて見に行きました.

もともと,チャレンジレースとか関チャレとか標準切るラストチャンスみたいな試合は見ていてかっこいいので好きだったのですが,今回は少し違いました.

大きな声援を受けて,自分の何倍も速く泳ぎ,結果に大きなガッツポーズをしたり,100分の1秒台で標準がきれずに落胆したりする選手を見て,自分がやっていたのはなんだろう.競泳をしていたと言えるのだろうかと思いました.自分がその空間を汚していて,その場にいてはいけない,疎外感を感じました.

きっとずっと前からそうだったと思うし、それを指摘してくれた人たちもいました.実際何度も「なんで部活続けてるの」「泳ぎたいだけなら他のところで泳げば」「何しに全国公来たの」「そんなの早くやめな」と言われました.頭ではわかっていたつもりだったけれど,引退してみて,一歩引いてみたときに,やっと実感として感じ,申し訳ない気持ちでいっぱいになりました.

引退の立場から見て,あの会場は輝きすぎていました.



3.    超えられなかった生涯ベスト

3年夏に東部で得点するという目標を達成してから,新しい目標として高校3年生の頃の生涯ベストを更新するという目標を立てました.

長水路最後の大会は4年夏の全国公,短水路はこの前の冬季公認で,これらがそれぞれ生涯ベストを大学で更新するラストチャンスだったのですが,全国公は0.07,冬季公認は0.2届きませんでした.全くの実力不足です.

1つのことしかできない(定番の言い訳)ので,大学で水泳にかけられないなと思っていました.むしろ,かけてはいけない,とさえ思っていました.他にすべきことがあると.全部をかけられないから,行ける上限は決まっているだろうし,インカレなんて行けないよ!と思っていました.目指してすらいないって時点で愚かだと思います.

自分で勝手に限界を決めて,浪人期間で完全に失った高校の自分の後を追うように,同じ泳ぎを再現しようとするばかりで,速い選手を研究してフォームをより良くしようとは考えられていませんでした.他にすることがあるとはいえ,時間を上手く使って水泳に時間を割こうともしませんでした.それができていた人,特に昂介はすごいなといつも思っていました.僕は水泳に全力だったとは到底言えません.

ここまでのことは本当に思っているのですが,ただ一方で,みんながみんなトップの選手ほど水泳にエネルギーを割かなければならないかと言われると,それも違うのかなと思っています.こういう時に思い出すのが純菜の引退ブログ2)で出てくる小姫の言葉なのですが,自分は自分のやり方で頑張ればいい,という言葉です.僕より人間的にできた純菜に対する言葉なので,遅刻魔の僕が真に受けてはいけないのですが,この言葉に救われる,この言葉で頑張れるという人は多いのではないかと思います.

というか,そういう自分にできる範囲の努力を少しずつでも積み重ねられる人が強い選手なのかなと,思います.

もっと水泳にエネルギーを向けていれば,もっといい結果で部活に貢献出来たのではないかと思い,後悔しないこともないですが.僕にとってはこれが精一杯だったと思います.

恵まれた環境と,寛容な後輩に甘えて,欲望のまま水泳を満喫させてくれて,ありがとうございました.(すみませんでした)



4.    楽しむことに尽きる!!3)ってなんだろう

僕がどうして部活を続けていたのか.一番は泳ぐことが好きだったからです.泳ぐと言っても,ただ泳ぐのではなくて,好きな人たちと,きっついメニューを乗り越えていくのが好きだったからです.

でもそれだけではなくて,東部で得点する(選手として結果で部活に貢献する)という大きな目標がありました.部活に入ってすぐ1年生の10月に丈瑠さん大祐さん佑馬さんに大戸屋に連れて行ってもらったとき,この先輩かっこええ!この先輩と泳ぎたええ!と思ったこと,練習でマネージャーの方々がすごく尽くしてくれることから,何か貢献しなければならないという使命感もありました.

大学水泳で一番うれしかった瞬間は,と聞かれたら,3年夏の東部の200Brで決勝に残ったときだと思います.いい順位だった100Brとか,タイム的に一番いい4年夏の全国公の100Brではなくて,残れるか分からなかったけどギリギリ残れた東部200Brでした.

泳いでいる間にどこからともなく力がみなぎって,自分の力を出し切れたと思う泳ぎで,タイムも割と良くて,ギリギリ決勝残れるかドキドキしながら最終組の結果を見ていたのを思い出します.残れたと分かったときの脳汁というか興奮は忘れられません.

ただ,この目標を達成してから,部活というよりただ泳ぐことのだけに意識が向いていて,申し訳ありませんでした.

目標を達成したときの喜びはみんなにも味わってほしいです.ただ,目標は無理に決める必要はないって泰杜は言っていた(引退ミーティングで)ので,こういう自分の魂が熱くなるような目標は,人に決められて,とかではなくて,偶然出会うものなのかもしれません.

他の誰でもなく自分のこころが熱くなる目標に出会えたら大切にしてほしいし,それを達成するため頑張る過程は楽しいと思うし,達成できた時はしあわせを感じられると思います.それが水泳人生なのかなと思います.(は?)



5.    学生水泳

大学の部活に限らず,中高の部活でも思っていたことなのですが,部活って難しい集団だなと思います.

人それぞれ,もともと持っている泳力も違い,目標とするものも違い,これからかけられるエネルギーも違う.部活としては,その違いが揉め事の原因の大半を占めると思います.ここをすり合わせて1つのチームにまとまるのはとても難しいと思います.でも,そここそ,部活の面白いポイントなのだとも思います.

まとまるにはどうしたらいいのか.先輩が引退していくときや,自分が幹部代の一人になったとき,後輩が率いるチームに入っているときや,その後輩が引退していく姿を見たとき.たびたび考える機会がありましたが,こうすべきという答えには,なかなかたどり着けませんでした.

4年夏のミーティングで,凛子たちが当時の都立大水泳部の問題点をまとめてくれました.言いにくいことを言ってくれたと思うし,本当に感謝しています.それを受けてその場ですぐ何か言えるような時間(もしくは僕の能力)がなかったのは,本当に申し訳ありませんでした.

それを受けてか(幹部代が変わったからかは知りませんが),今の幹部代は,一人一人が仕事に責任感を持っていると思うし,月一回の練習を教え合う日と割り振って,選手間で知識や技術を共有し合う雰囲気づくりができていて,すごくいいなと思います.

僕も,幹部を経験していない僕なりの立場になってはしまいますが,部活にとって大切なことについて,考えてみました.引退ミーティングで話した内容です.

・一人一人がこころから目指したい目標を持っていて,それを互いに尊重し,共に努力すること.
・泳力や知識のある人はそれらを少なからず部活にもたらして,他の選手は,それに迎合することなく,自分の中に取り込んでいくこと.
・幹部とそれ以外で情報量や決定力に差が生まれるのは必然だが,それでも自分の要求を通せるよう自分の部活に求めるものを,予め,それとなく,伝えて合っておくこと.

ひとりひとり違いがある中で,同じ空間で泳いで,切磋琢磨して,応援しながら、結果を自分のことのように「みんな」で喜び悲しむことができたら,いいよね. 

都立大水泳部が今後,より良いチームとなっていくのだろうと思わされた半年でした.



最後に

僕の大学での水泳人生は,多くの方々の支えのおかげで成り立ちました.

都立大水泳部に引き込んでくれて,かっこいい背中を見せてくれて,引退後もたくさん相談にのってくれた先輩方.
圧倒的な泳力で引っ張ってくれて,たくさん遊んで思い出を作ってくれて,時には厳しく接してくれた同期.
迷惑をかけたことも多いし,気を使わせてしまっただろうに,現役続行を受け入れてくれて,いつも応援してくれた後輩たち.
大会で会ったら声をかけてくれた,横市,横国,埼大の方々や,Brの人たち.
都立大プールと外部練習でお世話になった武蔵野森やコナミ橋本,オアシス南大沢の方々.
大会運営に携わってくれた学連や競技役員の方々.
大学でも水泳を続けることを応援してくれた両親.
そして,コース割といった準備やサークル管理で練習を支えてくれて,タイムをとってきれいに紙にまとめてくれて,練習中や大会前には声をかけて精神面までも支えてくれた,マネージャーの方々.

自分勝手な行動も多く,多くの人に迷惑をかけてしまいました.本当に申し訳ありませんでした.

関わってくれたすべての人に感謝申し上げます.


泳ぐのが好きなので,これからも水泳は細々と続けていきます.練習会にも誘ってください.


今後も「奥深い」「競泳劇場」に関わる「すべての人」が「こころ」燃えるレースを「謳歌」されることを願っています.


2024.2.22 安井颯翼



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2)    純菜引退ブログ http://tmu-swimming.jugem.jp/?eid=1693
3)    丈瑠さん引退ブログ http://tmu-swimming.jugem.jp/?eid=1600



次回は合宿のブログだそうです!楽しみですね!(遅くなってしまい大変申し訳ありませんでした)