工場をグルッと見学してる。


工場って汚いイメージだったのに、凄く綺麗とゆうより、お洒落。


「テレビのドラマとかと工場のイメージが違う、鉄鋼所って油まみれで汚いイメージしかなかった。あっすいません」


すると主任が


「今の社長と専務には絶対言っちゃだめだよ」


「はい、すいません」


「二人は、デザインに凄く敏感で現場経験が長いんだよ。いろんな工場見てきてて、俺らで工場のイメージ変えようぜってとこからなんだ。会社の建物 全部二人のデザインなんだよ。おまけに造ったのも二人。変わり物なんだ。その二人みて先代もおまえらの好きにやれって、こうなったんだ、こんな洒落た工場はないよ。」


私は返す言葉がなかった。


工場内の様々なところにパソコンがあって、そのパソコンラックもオリジナルで凄くお洒落だし、現場で打合せ出来るスペースはガラス張りで中は、車屋さんのディーラーみたいな雰囲気。


「ここ来たら仕事頼みますよ、、普通、、、凄いです」


「社長と専務は掃除にうるさいから、掃除はキチンとやるようにね」


私はボーっとしたまま、重いドアを開けて事務所へ入ると、専務が「どうだった?工場とは思えないでしょう?」


「はい、、、お洒落でびっくりしました。」


「じゃ~ 社長ノート読んでて」


事務所も独特である。デスクも棚も全てオリジナルで、売ってないデザインばかり、欲しい、、カラーリングも完璧だ。hiphopが流れてる。みんな私服。理想的な会社だ。何もしてい内に幸せになってしまった。


私は言われた通り、ライトブラウンの紐解きノートを開いた。


1ページ目、、、そこに書かれてた言葉、一生忘れません。


今日から、ここに遊びに来るんだ。

そして 今日からずっと幸せになるんだ。

あなたの才能はここで開花するって決まってたんだよ。

間違いなく我々と幸せになる。

その為に 今 あなたはここにいる。


離婚したばかりの私は涙が溢れました。


この1ページ目を読んだ時、幸福感に包まれました。






会社の重いドア開ける。観葉植物の奥に5名の事務員と10人のエンジニアが 掃除をしながら他愛もない会話をしている。

「おはようございます 今日からお世話になる霧島早苗です 宜しくお願いします」と 私は自己紹介をした。


みんな「えっ」て感じでこっちを見てる。


すると会社のNO2っぽい社長と同じ歳くらいの男性が「あれ?聞いてないな~」とびっくりした顔で言葉を返した。


専務の風間だ。


「おはよう、ちょっと待ってて今社長呼ぶね」とインターホンで呼んだ。


ガチャ


「今日社長出張行くって、今出かけましたけど」


低い声で


「またかよ」


と 風間専務がぼやく。


「ごめんね、こんな感じなんだ、とにかく社長が子供ってゆうか、マイペースなんだよ」


「あの、工場の主任をしてる藤堂です、これ」


と一冊のノートを渡された。


「社長が、今日はすまないが作業に入る前に これを読んどいてくれと伝えてくれって渡されたんだ」


すると、事務所のTELが鳴った。


風間専務は「あ~あ~あ~わかった」しか言わない。


すると風間専務が 「とにかく、朝礼だ。朝礼が終わったら藤堂に工場を案内してもらって、その後は事務所でノートを読んどいて、社長は昼には帰ってくるから」


この会社は、何?


不安に思うけど 面白いかも


何故か私は早く社長に会いたかった。


あの顔が見たい、声が聞きたい、あの雰囲気に包まれたいと感じていた。

嘘でしょ?


綺麗なオフィスに現れた男を見て 私は目を疑った


彼はボサボサ頭で切れ長の鋭い眼で、色黒でスラっとした体形で、この人が社長?一気に緊張感がホグレちゃった事を今でも憶えている。


「お待たせ 代表鈴木です。ごめんなさいね、ちょっと機械を修理してたんでね、、手が放せなかったんだよ、君さえよければ採用だ。」


ゆっくりとした語り口調。


「ウチはね、ショップやディーラのオーダーメイドのスチール家具をデザインからやってる会社なんだ、それで今回大手と取引が決まってね、まったく人手が足りずに困ってるんだ。いつから来れるかな?パートだから9時~16時で頼むよ。日付け決まったら申し訳ないけど会社に連絡くれ」


「えっ 履歴書とか経歴とか見なくていいんですか?」


「~ そんなの見りゃわかるし あなたが必要なんだ」


「はっは~」


それで、エイブテックに私は入社した。