うつ病を患っている職員。
自分が係長になった当初、彼女は仕事に対して「楽そうだから、この担当をやります。」「いまの自分にはこの仕事は無理です。」「わずかな仕事でも期限を切られてしまうと、強いプレッシャーを感じてしまうことを、わかってください。」と、ずっと後ろ向きだった。
そこで、何度も係の担当替えを行い、彼女にできる業務(単純作業が中心)だけをお願いしてきた。
もちろん、他の係員にも何度も説明をして、理解を求めてきた。
係員たちはそれに応え、課題解決に各々が真剣に取り組んでくれた。
最後の担当替えをしたのが、6月。
それから3か月。彼女の中にも、小さな変化が見られた。
業務内容が軽いから、そして他の職員の課題解決のレベルが上昇してきたからか、
彼女自ら「何か自分でもできることはないか。」と、係長である自分に問う場面が増えてきた。
僕自身がいい加減な部分があって、のらりくらりしていると、彼女は主体的に課題設定して、
解決案を示してくる。とにかく仕事に対して積極的に取り組みだしたんだ。
今日、彼女を呼び出して、3が月前と比べて主体的に仕事ができていることを伝えた。
主体的にやろうとしている仕事内容が、実際他の人と比べて非常に簡単な軽い業務であっても、
「主体的に取り組む」という姿勢そのものが重要であり、その意味で3か月前とは質的に大きな
変化があったはず、自信を持ってほしいと伝えた。
彼女はとてもうれしそうにはにかんでいた。
小さな変化であっても、それに気づけるように努め、気づいたらそれをタイムリーに伝えていくことは、
自分がコーチングにおいて重視していることである。
「自分らしさを発揮すること、変化を重要視すること。」
この哲学を自分自身が徹底させるとともに、係員にいい影響を与えられるよう、努めていきたい。