ネタバレです(・∀・)
スチルもあります(・∀・)
期末テストも終了し、冬休みが目前に迫っていた。
イベントが盛りだくさんの冬休み…今は校内のどこもかしこも、その話題で持ちきりだ
「冬休み、楽しみだねっ」
昼休憩になり、私の教室にやってきた栄子ちゃんも笑顔でそう口にした
「冬休みに入ってすぐクリスマスって、いきなりテンション上がっちゃうよ」
満面の笑顔を見せる栄子ちゃんを前に、私も自然と笑顔になる
「栄子ちゃんってば、今からそんなに気合いいれてたら冬休み始まる頃には疲れてるんじゃないの?」
「疲れるわけないって!だってサッカー部はみんなでクリスマスパーティー…ああもう、最高!」
栄子ちゃんは目をきらきらさせながら、私の顔をのぞき込んでくる
「○○ちゃんは、クリスマスどうするの?」
「私は……」
クリスマスパーティーの幹事をする→伊吹くんルートへ
「水泳部のみんなでクリスマスパーティーをやるんだけど…ジャンケンで負けちゃって、幹事をすることになったんだよね」
「幹事っ?じゃあ、クリスマスがどうこうっていうより、その前の準備期間が大変じゃない」
「そうなの。まあ、ある程度は好きなように企画できるから、それはそれで楽しいんだけど…」
そう言うと、栄子ちゃんが不思議そうに顔をのぞきこんできた
「けど…どうしたの?」
「えっ?あ、ううん、なんでもない」
首を横に振りながらも、私の頭の中にはもうひとりの幹事である伊吹くんの顔が巡る
(伊吹くんがあまり興味なさそうにしてるのが、気になるんだよなあ)
────────────────放課後
いつも通り部活が行われたあと、私は部室で片づけをしていた
すると、練習を終えた伊吹くんが部室に入ってくる
「お疲れ」
「あ、うんお疲れさま」
(伊吹くんは、やっぱりクリスマスパーティーには参加しないつもりなのかな?)
ちらちらと伊吹くんの様子を伺っていると、私の視線に気づいた伊吹くんが、けげんそうな顔になる
「何?」
「あの、クリスマスパーティーのことなんだけど…」
「クリスマスパーティー?」
「ほら、水泳部のみんなで集まって騒ごうって言ってたじゃない?」
「……ああ、ジャンケンで負けたヤツが幹事とか言ってた、あれか?」
「う、うん」
(あれか?って……一応伊吹くんも幹事なんだけど……本当に興味無いってかんじだなあ)
「それが?」
「えっと…」
(できれば、一緒に買い出しに行きたいんだけど、なんだか誘いにくい…どうしよう?)
誘う→もちろん!!(・∀・)
誘わない
(でも、こんな機会はもうないかもしれないし…)
「クリスマスパーティーの買い出しなんだけど、一緒に行かない?」
思い切って誘うと、伊吹くんがじっと私をみる
(う……やっぱりだめ?)
伊吹くんを見つめ返していると、彼は思いがけない言葉を口にした
「……いつ?」
「え…?」
「え、って……買い出しの話だろ?いつ行くんだ?」
とっさに返事ができないでいると、伊吹くんが小さく首をかしげる
「どうした?」
「伊吹くん……一緒に行ってくれるの?」
私の言葉に、伊吹くんは何度かまばたきをした
そしてプッと吹き出す
「なんだそれ…そっちが誘ってきたんだろ」
「そ、そうなんだけど」
伊吹くんはクスクス笑いながら、私を見る
「行くよ……お前が誘ってきたんだから」
(伊吹くん……)
彼の言葉を嬉しく思っていると、再び問いかけられる
「で、いつ?」
「あ、今度の土曜日に行こうかなって思ってたんだけど、予定とかある?」
「いや。じゃあ土曜日な」
(やった!)
それから待ち合わせ場所と時間をきめた
(土曜日楽しみだな)
─────────────────土曜日
私は約束の時間よりも早く待ち合わせ場所に立っていた
(今日は買い出しっていう用事があるのに……浮かれ過ぎかな)
けれど、今日1日伊吹くんと一緒に居られると思うと無意識のうちに早く家を出てしまっていたのだ
(最近、デートっぽいことできてなかったからかな……ドキドキする)
ソワソワしながら待っていると、ふいに後ろからポンと頭を叩かれた
「よ」
「あ、伊吹くん」
「悪い、待たせたか?」
「ううん、私もさっき着いたところだから」
さりげなく時計を見ると、まだ待ち合わせ時間には早い
(伊吹くんも早く来てくれるなんて……)
嬉しくおもっていると、伊吹くんが思い出したように口を開く
「そういや、何を買うんだ?」
「ああ、えっとね、とりあえずビンゴゲームの景品かな」
「景品?」
「うん」
歩き出す伊吹くんの横に並びながら、私はずっと考えていたことを口にする
「具体的には決めてないんだけど……やっぱり、タオルとかマグカップとか、実用的なものの方がいいのかな?」
「さあ……」
(さあって……)
伊吹くんは私を見ると、フッと目を細め
「ゆっくり決めればいい。時間はあるんだから」
「そっか……そうだね」
伊吹くんはうなずくと、スッと手を差し出す
「ほら」
「あ……」
そっと手を重ねると、伊吹くんはしっかりと握ってくれるのだった
──────────────────────────
伊吹くんとの楽しい時間を過ごしながら、パーティーに必要なものは買い揃えた
そうして、待ちに待ったクリスマスイブ
学校の近所にあるレンタルスペースを借りて、みんなでパーティーをしていた
(良かった、みんな楽しんでくれてるみたい)
ビンゴゲームをしたり、料理を食べたり、お喋りしたり、みんなはそれぞれ盛り上がってくれていた
(それに、伊吹くんも来てくれたし……)
みんなと特に話したりしている様子はなかったけれど、伊吹くんが来てくれたということが何よりも嬉しかった
そんな中、誰よりも盛り上がっていた川瀬コーチが声をあげる
「えー、それでは、今日、このクリスマスパーティーを開いてくれた○○ちゃんと瞬に、俺たちから感謝の気持ちを捧げたいと思います」
(私たちに?なんだろう?)
私と伊吹くんは無意識に顔を見合わせながら、続く言葉を待つ
「瞬にはスノーマン、○○ちゃんにはサンタクロースに変身してもらいます!」
「……え?」
「は?」
「ものども、ひっとらえい!!」
コーチがそう言い放つと、数人の部員が私の腕をつかんだ
「わっ」
見ると、伊吹くんも同じように腕をつかまれている
「お、おいっ」
そのまま、それぞれ別の部屋へ連れ込まれてしまい………
────────────数分後
私はみんなの勢いにおされて、サンタクロースの格好をすることになった
「○○、可愛いよ!」
部員の美鈴が、笑顔で肩を叩いてくる
(う、うれしくない……でも……)
私はチラッと伊吹くんをみる
私と同じく、無理矢理着替えさせられた伊吹くんはスノーマンの衣装に身を包んでいる
可愛らしい衣装なのに、それを着ている伊吹くんはものすごい仏頂面だ
「ハハッ、伊吹、何気に似合うじゃんっ」
「い、伊吹くん可愛い~っ!
(……本当に可愛い……)
伊吹くんは不機嫌そうに目をそらしたまま、何も言わない
(こんな伊吹くん、もうこの先見られないかも)
そう思うと、私はますます伊吹くんから目が離せないのだった
──────────────────
伊吹くんのコスプレのおかげか、パーティーは盛り上がったまま終了した
私は自分の服に着替えたあと、みんなを見送る
「○○、最後まで幹事お疲れさま
○○のおかげですっごく楽しかった」
「伊吹くんのスノーマンの姿もだけど、○○さんのサンタさんも似合ってたよ」
「ああ………ありがとう」
(それは恥ずかしいから、できれば早いうちに忘れてほしいんだけど……)
そう思っていると、コスプレを提案したコーチがコソッと声をかけてきた
「なあ……悪いんだけど、あとで瞬の様子、見に行ってやってくんない?」
「伊吹くんどうかしたんですか?」
「いや、たぶ今、着替えてると思うんだけど、帰り際に挨拶したら、ものすごい目で睨まれてさ」
「ああ……はは……
わかりました。あとで声かけてみますね」
「悪い…よろしくな」
みんな帰ったあと、私は伊吹くんがいる部屋の方を見る
(伊吹くん……私とも話してくれなかったりして)
更衣室代わりの部屋の前にやってきた私は、扉をノックする
しかし、返事はない
(ここで着替えてるるはずなんだけど………やっぱり機嫌悪いのかな)
「伊吹くん?」
そう声をかけると、ふいに中から扉が開いた
「○○」
「伊吹くん……」
(良かった、怒ってないみたい)
彼の声と表示からそう察した私は、ホッと肩の力を抜く
(それより、もうとっくに着替えてちゃったかと思ってたけど…)
まだスノーマン姿のままの伊吹くんに、私はそっと声をかけた
「えっと……着替えないの?」
私の問いかけに、伊吹くんは困ったように目を伏せる
「そのことなんだけど……いいか?」
「う、うん」
手招きされるまま部屋に入ると、伊吹くんが扉をしめた
そして私に背を向ける
「なんか、ファスナーがおりない」
「ファスナー?…………あ」
よく見ると、ファスナーに衣装の繊維が絡まってしまっている
「ちょっと待ってね。たぶん、思いっきり下げれば……」
私はファスナーに手をかけて、勢いよく引き下げた
すると、無事にファスナーが開いた……のまでは良かったのだけれど、
「きゃっ……」
開いたファスナーから見えたねは、伊吹くんの素肌
反射的に目をそらしたものの、頬がカーっと熱くなっていく
(なんで、素肌に着てるの……?)
恥ずかしがる私とは対照的に、伊吹くんは平気そうな顔で衣装を脱いだ
「……どうかしたか?」
「あ、あの……服、脱いだの?」
どうにかそう問いかけると、伊吹くんは自分の身体を見下ろして、「あぁ」とつぶやく
「これに着替えるとき……なんか、服着ない方がいいってアイツらが……」
「そ、そうなんだ」
(伊吹くんの裸は、部活で見慣れてるはずなのに……)
わけもない恥ずかしさに襲われて、私は顔をあげることができない
「あ、えっと、私…外出てるね」
そう言って、部屋の扉に手をかけたとき、いきなり後ろからのびてきた手が、私の身体を挟んだまま扉を押さえた
(え……?)
恐る恐る振り向くと、上半身裸の伊吹くんが私の両脇に手をついてこちらを見つめている
「伊吹くん……?」
至近距離に迫る伊吹くんの瞳
伊吹くんは、私をのぞき込むように少し首をかたむけた
「逃げなくてもいいのに」
「に、逃げてるわけじゃ……」
とっさにそう言い返すと、伊吹くんの顔がさらに近づいた
「じゃあ……いい?」
「……あ……」
私が返事をするより先に、伊吹くんが唇を重ねてきた
触れたり離れたりしながら、確かめるように何度も重ねられる唇
ふと動きを止めた伊吹くんは、私の頬をなでて目を細める
「やっと……ふたりきりになれた」
(伊吹くん……)
「…メリークリスマス」
そう告げた伊吹くんが、少し照れくさそうに目を伏せる
「こういうことも……二人じゃないと、言えないから」
そうして再び視線を上げた伊吹くんは、私の耳に口づける
「やっぱり、○○と二人がいいな……」
すぐそばで落とされたささやきが、私の心を甘く溶かすのだった……
~shun ibuki happyend~
想像したら可愛かった伊吹くんの着替えるシーン
やっぱり、伊吹くんシナリオに外れはありませんでした^^
スチルもあります(・∀・)
期末テストも終了し、冬休みが目前に迫っていた。
イベントが盛りだくさんの冬休み…今は校内のどこもかしこも、その話題で持ちきりだ
「冬休み、楽しみだねっ」
昼休憩になり、私の教室にやってきた栄子ちゃんも笑顔でそう口にした
「冬休みに入ってすぐクリスマスって、いきなりテンション上がっちゃうよ」
満面の笑顔を見せる栄子ちゃんを前に、私も自然と笑顔になる
「栄子ちゃんってば、今からそんなに気合いいれてたら冬休み始まる頃には疲れてるんじゃないの?」
「疲れるわけないって!だってサッカー部はみんなでクリスマスパーティー…ああもう、最高!」
栄子ちゃんは目をきらきらさせながら、私の顔をのぞき込んでくる
「○○ちゃんは、クリスマスどうするの?」
「私は……」
クリスマスパーティーの幹事をする→伊吹くんルートへ
「水泳部のみんなでクリスマスパーティーをやるんだけど…ジャンケンで負けちゃって、幹事をすることになったんだよね」
「幹事っ?じゃあ、クリスマスがどうこうっていうより、その前の準備期間が大変じゃない」
「そうなの。まあ、ある程度は好きなように企画できるから、それはそれで楽しいんだけど…」
そう言うと、栄子ちゃんが不思議そうに顔をのぞきこんできた
「けど…どうしたの?」
「えっ?あ、ううん、なんでもない」
首を横に振りながらも、私の頭の中にはもうひとりの幹事である伊吹くんの顔が巡る
(伊吹くんがあまり興味なさそうにしてるのが、気になるんだよなあ)
────────────────放課後
いつも通り部活が行われたあと、私は部室で片づけをしていた
すると、練習を終えた伊吹くんが部室に入ってくる
「お疲れ」
「あ、うんお疲れさま」
(伊吹くんは、やっぱりクリスマスパーティーには参加しないつもりなのかな?)
ちらちらと伊吹くんの様子を伺っていると、私の視線に気づいた伊吹くんが、けげんそうな顔になる
「何?」
「あの、クリスマスパーティーのことなんだけど…」
「クリスマスパーティー?」
「ほら、水泳部のみんなで集まって騒ごうって言ってたじゃない?」
「……ああ、ジャンケンで負けたヤツが幹事とか言ってた、あれか?」
「う、うん」
(あれか?って……一応伊吹くんも幹事なんだけど……本当に興味無いってかんじだなあ)
「それが?」
「えっと…」
(できれば、一緒に買い出しに行きたいんだけど、なんだか誘いにくい…どうしよう?)
誘う→もちろん!!(・∀・)
誘わない
(でも、こんな機会はもうないかもしれないし…)
「クリスマスパーティーの買い出しなんだけど、一緒に行かない?」
思い切って誘うと、伊吹くんがじっと私をみる
(う……やっぱりだめ?)
伊吹くんを見つめ返していると、彼は思いがけない言葉を口にした
「……いつ?」
「え…?」
「え、って……買い出しの話だろ?いつ行くんだ?」
とっさに返事ができないでいると、伊吹くんが小さく首をかしげる
「どうした?」
「伊吹くん……一緒に行ってくれるの?」
私の言葉に、伊吹くんは何度かまばたきをした
そしてプッと吹き出す
「なんだそれ…そっちが誘ってきたんだろ」
「そ、そうなんだけど」
伊吹くんはクスクス笑いながら、私を見る
「行くよ……お前が誘ってきたんだから」
(伊吹くん……)
彼の言葉を嬉しく思っていると、再び問いかけられる
「で、いつ?」
「あ、今度の土曜日に行こうかなって思ってたんだけど、予定とかある?」
「いや。じゃあ土曜日な」
(やった!)
それから待ち合わせ場所と時間をきめた
(土曜日楽しみだな)
─────────────────土曜日
私は約束の時間よりも早く待ち合わせ場所に立っていた
(今日は買い出しっていう用事があるのに……浮かれ過ぎかな)
けれど、今日1日伊吹くんと一緒に居られると思うと無意識のうちに早く家を出てしまっていたのだ
(最近、デートっぽいことできてなかったからかな……ドキドキする)
ソワソワしながら待っていると、ふいに後ろからポンと頭を叩かれた
「よ」
「あ、伊吹くん」
「悪い、待たせたか?」
「ううん、私もさっき着いたところだから」
さりげなく時計を見ると、まだ待ち合わせ時間には早い
(伊吹くんも早く来てくれるなんて……)
嬉しくおもっていると、伊吹くんが思い出したように口を開く
「そういや、何を買うんだ?」
「ああ、えっとね、とりあえずビンゴゲームの景品かな」
「景品?」
「うん」
歩き出す伊吹くんの横に並びながら、私はずっと考えていたことを口にする
「具体的には決めてないんだけど……やっぱり、タオルとかマグカップとか、実用的なものの方がいいのかな?」
「さあ……」
(さあって……)
伊吹くんは私を見ると、フッと目を細め
「ゆっくり決めればいい。時間はあるんだから」
「そっか……そうだね」
伊吹くんはうなずくと、スッと手を差し出す
「ほら」
「あ……」
そっと手を重ねると、伊吹くんはしっかりと握ってくれるのだった
──────────────────────────
伊吹くんとの楽しい時間を過ごしながら、パーティーに必要なものは買い揃えた
そうして、待ちに待ったクリスマスイブ
学校の近所にあるレンタルスペースを借りて、みんなでパーティーをしていた
(良かった、みんな楽しんでくれてるみたい)
ビンゴゲームをしたり、料理を食べたり、お喋りしたり、みんなはそれぞれ盛り上がってくれていた
(それに、伊吹くんも来てくれたし……)
みんなと特に話したりしている様子はなかったけれど、伊吹くんが来てくれたということが何よりも嬉しかった
そんな中、誰よりも盛り上がっていた川瀬コーチが声をあげる
「えー、それでは、今日、このクリスマスパーティーを開いてくれた○○ちゃんと瞬に、俺たちから感謝の気持ちを捧げたいと思います」
(私たちに?なんだろう?)
私と伊吹くんは無意識に顔を見合わせながら、続く言葉を待つ
「瞬にはスノーマン、○○ちゃんにはサンタクロースに変身してもらいます!」
「……え?」
「は?」
「ものども、ひっとらえい!!」
コーチがそう言い放つと、数人の部員が私の腕をつかんだ
「わっ」
見ると、伊吹くんも同じように腕をつかまれている
「お、おいっ」
そのまま、それぞれ別の部屋へ連れ込まれてしまい………
────────────数分後
私はみんなの勢いにおされて、サンタクロースの格好をすることになった
「○○、可愛いよ!」
部員の美鈴が、笑顔で肩を叩いてくる
(う、うれしくない……でも……)
私はチラッと伊吹くんをみる
私と同じく、無理矢理着替えさせられた伊吹くんはスノーマンの衣装に身を包んでいる
可愛らしい衣装なのに、それを着ている伊吹くんはものすごい仏頂面だ
「ハハッ、伊吹、何気に似合うじゃんっ」
「い、伊吹くん可愛い~っ!
(……本当に可愛い……)
伊吹くんは不機嫌そうに目をそらしたまま、何も言わない
(こんな伊吹くん、もうこの先見られないかも)
そう思うと、私はますます伊吹くんから目が離せないのだった
──────────────────
伊吹くんのコスプレのおかげか、パーティーは盛り上がったまま終了した
私は自分の服に着替えたあと、みんなを見送る
「○○、最後まで幹事お疲れさま
○○のおかげですっごく楽しかった」
「伊吹くんのスノーマンの姿もだけど、○○さんのサンタさんも似合ってたよ」
「ああ………ありがとう」
(それは恥ずかしいから、できれば早いうちに忘れてほしいんだけど……)
そう思っていると、コスプレを提案したコーチがコソッと声をかけてきた
「なあ……悪いんだけど、あとで瞬の様子、見に行ってやってくんない?」
「伊吹くんどうかしたんですか?」
「いや、たぶ今、着替えてると思うんだけど、帰り際に挨拶したら、ものすごい目で睨まれてさ」
「ああ……はは……
わかりました。あとで声かけてみますね」
「悪い…よろしくな」
みんな帰ったあと、私は伊吹くんがいる部屋の方を見る
(伊吹くん……私とも話してくれなかったりして)
更衣室代わりの部屋の前にやってきた私は、扉をノックする
しかし、返事はない
(ここで着替えてるるはずなんだけど………やっぱり機嫌悪いのかな)
「伊吹くん?」
そう声をかけると、ふいに中から扉が開いた
「○○」
「伊吹くん……」
(良かった、怒ってないみたい)
彼の声と表示からそう察した私は、ホッと肩の力を抜く
(それより、もうとっくに着替えてちゃったかと思ってたけど…)
まだスノーマン姿のままの伊吹くんに、私はそっと声をかけた
「えっと……着替えないの?」
私の問いかけに、伊吹くんは困ったように目を伏せる
「そのことなんだけど……いいか?」
「う、うん」
手招きされるまま部屋に入ると、伊吹くんが扉をしめた
そして私に背を向ける
「なんか、ファスナーがおりない」
「ファスナー?…………あ」
よく見ると、ファスナーに衣装の繊維が絡まってしまっている
「ちょっと待ってね。たぶん、思いっきり下げれば……」
私はファスナーに手をかけて、勢いよく引き下げた
すると、無事にファスナーが開いた……のまでは良かったのだけれど、
「きゃっ……」
開いたファスナーから見えたねは、伊吹くんの素肌
反射的に目をそらしたものの、頬がカーっと熱くなっていく
(なんで、素肌に着てるの……?)
恥ずかしがる私とは対照的に、伊吹くんは平気そうな顔で衣装を脱いだ
「……どうかしたか?」
「あ、あの……服、脱いだの?」
どうにかそう問いかけると、伊吹くんは自分の身体を見下ろして、「あぁ」とつぶやく
「これに着替えるとき……なんか、服着ない方がいいってアイツらが……」
「そ、そうなんだ」
(伊吹くんの裸は、部活で見慣れてるはずなのに……)
わけもない恥ずかしさに襲われて、私は顔をあげることができない
「あ、えっと、私…外出てるね」
そう言って、部屋の扉に手をかけたとき、いきなり後ろからのびてきた手が、私の身体を挟んだまま扉を押さえた
(え……?)
恐る恐る振り向くと、上半身裸の伊吹くんが私の両脇に手をついてこちらを見つめている
「伊吹くん……?」
至近距離に迫る伊吹くんの瞳
伊吹くんは、私をのぞき込むように少し首をかたむけた
「逃げなくてもいいのに」
「に、逃げてるわけじゃ……」
とっさにそう言い返すと、伊吹くんの顔がさらに近づいた
「じゃあ……いい?」
「……あ……」
私が返事をするより先に、伊吹くんが唇を重ねてきた
触れたり離れたりしながら、確かめるように何度も重ねられる唇
ふと動きを止めた伊吹くんは、私の頬をなでて目を細める
「やっと……ふたりきりになれた」
(伊吹くん……)
「…メリークリスマス」
そう告げた伊吹くんが、少し照れくさそうに目を伏せる
「こういうことも……二人じゃないと、言えないから」
そうして再び視線を上げた伊吹くんは、私の耳に口づける
「やっぱり、○○と二人がいいな……」
すぐそばで落とされたささやきが、私の心を甘く溶かすのだった……
~shun ibuki happyend~
想像したら可愛かった伊吹くんの着替えるシーン
やっぱり、伊吹くんシナリオに外れはありませんでした^^